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2005年7月12日 (火)

ヴェルディへの思い、そして再び事件について

アンチ・ジャイアンツだった俺は、Jリーグが始まった頃、普通にアンチ・ヴェルディになった。 とは言え、Jリーグ自体、そんなに注目していなかったし、Jリーグブームが収まっていくにつれ、ヴェルディも他のチームもどうでもよい存在になった。

1998年頃から、レッズサポの友人の影響やフリューゲルス関係者が親戚にいるという知人のご厚意で、徐々にJリーグを見るようになったが、まだ特定の贔屓チームは無かった。 基本的に判官贔屓なので、横国でも等々力(フロンターレ)でも西ケ丘でもアウェイチームを応援していた。 サポも少ないし、弱そうだし、応援してやらないと潰れそうに感じたので。。。 (そう言う意味では、フリューゲルスの件には不意を突かれた。 天皇杯決勝はテレビの前で震えた。)

で、ヴェルディ。 1999年にたまたま観戦した試合で、サポのあまりの少なさにショックを受ける。 と同時に判官贔屓を刺激される。 2000年の駒沢での試合や、2001年の東スタ柿落としにも、一応中立の立場で見に行ったが、内心FC東京よりもヴェルディを応援していた。

しかし、東スタに腰を落ちつかせるようになってから、次第にFC東京の魅力にハマっていく。 ひたむきな選手たち、面白いコール、スタジアムが一体化したライブのような感覚。 対するヴェルディはと言えば、永井や平本、前園の直線番町サッカー全開で、相手DFが待ち構えるゴール前につっかけて行くだけ。 唯一、桜井がサイドのスペースに流れたりしていたが、お世辞にも見ていて面白いサッカーではなかった。 (今のパスサッカーとは大違い。) そして、ゴール裏もさみしいうえに分裂応援。 自然にFC東京に惹かれていった。 とは言え、ヴェルディのことを嫌いになった訳ではない。 お互いに切磋琢磨していく相手だと捉えた。

だから、俺にとってヴェルディはスタジアムを共有する特別なライバル。 「相手がどこでも一緒」、「浦和相手の方が燃える」なんて声も理解できるが、少なくとも俺にとって東京ダービーは特別な試合。 まぁ、これは俺個人のダービー観だから、人それぞれ見方は違うだろうけど。

そう言った意味で、東京ダービーで特別な歌を歌うのもいいし、特別な方法で盛り上げることにも賛成だった。 共感すらしていた。 去年の東京ダービーで、ヴェルディのゴール裏に「幕府の狗」と言う横断幕があるのを見かけたとき、ダービーの醍醐味を感じた。 「FC東京=>調布=>近藤勇=>新撰組」 と言う発想だろうけど、そういうゴール裏間のやりとりを楽しいと思った。 何より、今まで東京ダービーに対してクールだったヴェルディ側からそういう横断幕が出たことが単純に嬉しかった。 今にして考えると、そんな子供っぽい感情が今回の事件に到る雰囲気作りに加担したことになったのかもしれない。 そして、自分にも事件に対する責任があるのかな、と思う。 改めて被害者の方にお詫び申し上げます。

俺が無邪気に喜んでいたその裏で、盛り上げ方が変な方向に向かっていた。 相手の試合への意味不明な潜入やリスペクトを欠く煽り。 当時は特に気に止めていなかったが、今回、それが爆発した。

盛り上げるのは結構、と言うよりむしろ歓迎。 今でも。 ただ、なんで相手を傷つける方向に向かわねばならないのか? しかも、来場者の安全を脅かす程まで! 行進で盛りあげるなら、ホーム側だけで気勢を上げれば充分盛りあがるじゃないか。 アウェイ側に行き、相手のユニフォームを切り刻むことで、ライバル心が単なる憎しみへと堕ちてしまう。 傷害事件はそのなれの果てだろう。

もちろん、ゴール裏の中心グループのこれまでの貢献を認めることはやぶさかではない。 自分自身ゴール裏住民ではないし、代表の試合もあまり行かないので、詳しく知っているわけではないが、少なくともナビスコ杯決勝で示した見事な統率力や遠方アウェイで場を和ませる機転は立派なものだと思う。 だとすれば、なお、今回のようなエスカレートを許せば、たとえ事件が起きなかったとしても、歪んだ憎しみしか残らないことなど分かっていただろうと思う。

行進を許したフロントの判断ミスも大きい。 何よりまず怪我人を出したことの管理上の責任が問われなければならない。 加えて、チームの名声と価値を著しく毀損する結果を招いてしまったことへの経営上の責任も問われるべきだ。 判断ミスの根底には一部サポーターとの癒着が影響しているのではないか。 行進を認めるかどうかを判断するにあたって、もっと幅広くファンの意見を聞いていれば、異なる結論が導かれたかもしれない。 そして、事件の事後処理を進めるにあたって、再び同じミス(閉ざされた身内での方針決定)を繰り返そうとしている。 そんな姿を端から指をくわえて眺めていなければならないのは堪らない気持ちだ(クラブにメールはするが)。 まぁ、フロントとは言え、所詮サラリーマン。 いろんな利害が絡み、自由にいかない状況なんだろう、と諦めるしかないのだろうか。

繰り返される過ち。 植えつけられた憎しみ。 戻らない関係。 金町ダービーに引き続き大切なものを壊してしまった。 今度も自らの手で。

後悔先に立たず。

まぁ、示威行為の首謀者が果たして後悔しているのかは知らないが。 Tシャツの売上げの札束を数えてほくそえんでいるような気もしないでもない、なんて俺は捻くれすぎか?

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コメント

はじめまして、こんにちは。
まだまだ『若葉マーク付』青赤サポーターのやっちです
お初ながらTBさせていただきました
これからもチョコチョコ覗かせていただこうと思います

投稿: やっち★ | 2005年7月13日 (水) 09:22

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受信: 2005年7月13日 (水) 14:26

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1日たっても、気分が晴れません。むしろボディーブローをくらったように、ジワジワと厳しい 感覚が身体を締め付けてくるような感じです。ボクシングの経験がない人間の言葉ですけれど(苦笑)。 下のエントリーのコメント欄でも述べましたし、多くの人が指摘されていることですが、クラブの 対応は「なあなあ感」で済まそうとしているような気がしてなりません。友人知人がどうこうなんて、 関係ない。なぜあ�... [続きを読む]

受信: 2005年7月13日 (水) 16:11

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