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2006年1月10日 (火)

野洲サッカーに栄冠が! 高校サッカー選手権大会決勝 1月9日(月)

野洲の決勝点は、鋭い弾道のサイドチェンジからドリブルで切り込み、相手を引き付けてのヒールパス。 それを受けた選手のスルーパスからダイレクトクロス。 そのクロスに選手が一人、二人と走りこんだもの。 最後の最後にそれはもう痺れる一連のプレーから、優勝を手中にした。

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試合後。 夕闇迫る国立

序盤は鹿実のプレッシャーに得意のショートパスを封じられ、フィードも本来の正確性を欠き、クリアだけで精一杯な状態が続いたけど、徐々にボールを、そして自分たち自身を落ち着かせ、ペースを握っていった。 その冷静な試合運びは見事。

右にも左にも顔を出した14番乾のイケイケドリブル。 9番青木のキレのある動き、10番平原のバランス感覚はすばらしかったけど、準決勝よりも長く続いた苦しい時間をしのいだ3バック、GK下西の頑張りも見逃せない。 とにかく、人にしっかり付くことと、相手のシュート・チャンスでコースを閉じることが、愚直なまでに徹底されていた。

鹿実も序盤、高いフィジカル能力と運動量で野洲のパスを奪い取っていった。 野洲が抜けた! と思った場面でさえ、鹿実の選手が先回りしていることが多く、読みのよさを感じさせる。 けど、パスミスが多かったね。 せっかく序盤は優勢だったのに、ミスからペースが徐々に野洲に移っていってしまった。

後半、再び盛り返し、特に同点に追い付いた時間帯の分厚い攻撃はさすがで、もしやこのまま押し切るかと思わせた。 そして、運命の決勝点の場面では、治療で一人少なかった不運。 最後、GKを上げてのパワープレーに思わず絶叫したけど、最後まで野洲を崩しきれず。 鹿実の連覇は夢と消えた。

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試合終了直後、相手ゴール前で倒れる鹿実GK

それにしても天真爛漫な野洲サッカー。 ヒールやダイレクトプレーだけでなく、前後左右にパスコースがない? なら上だ! とばかりに浮きパスを蹴ったり、ロングパスにしても、右足アウトサイドで蹴ってボールをスライスさせたり、随所に遊び心がちりばめられ、プレーに込められた意図がよく見えた。

プレスからのカウンターに徹した方がリスクは少ないし、ミスも減らせるし、効率もいい。 そういう戦い方も、無論、大事だし必要。 けど、野洲のように、ポゼッションからいかに相手を崩すかを目指すことの方が、サッカーに備わる創造性をより生かしていることになるんだと思う。 そして、そういうチームが勝った方が、日本のサッカーの発展にも、より資するのかな、と言う気がする。 何より見ていて楽しい。 野洲には空回りも多いけど、安全第一の堅実なプレーは後からでも身に付けられるのでは?

リーグを制したガンバにしても、両カップを制した千葉や浦和にしても、J1・J2入れ替え戦を制した甲府にしても、どれだけ実践できているかは別として、攻撃を売り物にしたチームが勝っているのは、そういう意味で良いことなのかな。 ウチも看板だけでなく、実際に攻め勝つチームになりたい。 ユータの遊び心や梶山の意外性、規郎の怒涛のドリブルがその突破口になって欲しい。

そんなことを思い巡らせるきっかけをくれた野洲高校、優勝おめでとう!

そして、鹿実。 たくましいサッカーをありがとう。 今後も、高校サッカーの頂点に立ち続けて欲しいな。

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★●●●●●●7問中1問目 問題:「高校サッカー、野洲が初優勝…延長戦で鹿児島実破る」(YOMIURI ON LINE 060110) http://www.yomiuri.co.jp/sports/hsfb2006/news/20060109it04.htm ●9日、第84回全国高校サッカー大会の決勝が行なわれました。滋賀県代表の野洲(やす)高校が鹿児島実業を破り、優勝しました。おめでとうございます●野洲が先制、鹿実が追いつくという展開、1-1で延長戦にもつれこみます。延長の後半...... [続きを読む]

受信: 2006年1月10日 (火) 11:07

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