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2006年3月24日 (金)

富山と雪と柳沢 YKK APvsロッソ熊本、アローズ北陸vsジェフ・クラブ 3月19日(日)

日曜は富山で行われたJFL開幕戦、YKK APvsロッソ熊本、アローズ北陸vsジェフ・クラブのダブルヘッダーを見てきた。

昨年JFL2位のYKK APと3位のアローズ北陸の富山県勢は、今年も優勝を争うと見られる有力チーム。 対するのは地域リーグから昇格したロッソ熊本ジェフ・クラブ

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ロッソは新たに昇格した(アルエット時代を含めると再昇格)チームながら、Jリーグ昇格に向け地元の厚いバックアップを受け(例えばこんな感じ)、シーズンオフも意欲的な補強を敢行。 陰のJ昇格候補とも言われる。

ジェフ・クラブも、Jリーグクラブ内の一組織が社会人リーグに参加する新たな試みとして、そのあり方が注目されるチーム。

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たまに雲が切れ目から雪をいただく山が見える。 ただし、立山方面(東)は全く見えず。

試合

両試合ともチームの練度の差が出て、地元富山県勢が完勝。

YKK AP vs ロッソ熊本(12:00KO)

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YKK APはCK→DF濱野のヘッドで先制すると、PKで2点差とし前半終了。 後半、中盤でリズムを刻んでいたロッソ森一紘(「森ってだーれ」の元神戸・森)が前半途中で退場すると、勝敗はほぼ決した。 その後、ミドル・シュートで1点づつ取り合い、3-1で終了。

ロッソには前出の森に加え、広島時代にウチがハットトリックを食らい、大宮時代にも鴨池でやられてる高橋泰や元柏・仙台の森川拓巳などのJ経験者がいて、個々の能力でYKK APに立ち向かうが、細かくパスを繋ぐYKK APの成熟の前に屈した。

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声出し隊とサンバ隊が一体になって応援するYKK APサポ。

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多彩なコールをしたロッソサポ。 30人以上来ていた。

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ロッソ池谷監督を囲む取材陣。 多くは熊本から来たようだ。

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アローズvsジェフの試合を前半まで見た後、帰路についたYKK APの選手達を乗せたバス。

アローズ北陸 vs ジェフ・クラブ(15:00KO)

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開始早々、アローズが相手のパスミスを高い位置で奪い、元水戸のFW北川が決めて先制。

アローズはダイレクト・プレーを多用。 縦パス→ポスト・バックパス→縦パス→ポスト・バックパスをダイレクトで繰り返し、ピッチ横から見るとボールがジグザグに動く感じ。 その後も何度も縦一発で抜け出し、ジェフ・クラブのゴールに迫るが、決めきれず。

ジェフはトップチームのような運動量、相手の急所を狙うようなドリブル、パス、フリーランニングが見られず、点差以上の完敗。

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昼前にスタジアムに着いた時、ちょうどジェフの選手達も到着したところだった。 千葉からバスで来たらしい。 ハードだ。

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アローズサポ。 周りに子供が多かった。

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ジェフのダニーロの応援コールはウチのリチェーリと同じ、と言うことは、つまり、去年のウチの「ダッニロー」と全く同じで、思わず一緒に歌いたくなった。

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勝利したアローズの選手達の挨拶。 試合終了と同時に降り出した雪が容赦なく吹き付ける。

富山総合運動競技場

スタジアムは平塚を新しくしたような感じで、愛媛や笠松、鴨池などよりも立派。 屋根がメインスタンドの1/3くらいをカバーし、大型カラービジョンも設置されている。 試合中もリプレーを映し、凝った選手紹介CGを流していた。
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運営面でも売店が営業していたし、プレゼントもやっていたし、並のJ2以上にちゃんとしていた。
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時どき雪が舞う天候のせいか(マジ寒かった)、観客はどちらの試合も800人台と寂しい人数。 ちなみに、アローズ北陸が名古屋に挑んだ去年の天皇杯4回戦では1万人以上集まったらしい。

観光

9時頃富山に着き、12時のキックオフまでのわずかな時間だったけど、富山市内を観光してきた。

まず行ったのが富山城の中にある富山市郷土博物館

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昨年11月にリニューアルされた同博物館では、戦国以降の越中・富山城の歴史で、「何が分かっていて、何が分かっていないのか」を、守護や一向一揆勢力・戦国武将の攻防の時代、富山前田家時代、戦後の復興期の各年代別に、ビジュアルで見せてくれる。 

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松川沿いは彫刻公園となっている。

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松川は桜の名所でもある。 つぼみはまだ固そうだ。

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JR富山駅に到着。 ここから総合運動公園行きの路線バスに乗る。 途中空港を経由し、所要時間は約30分。 空港から総合運動公園へは徒歩で約15分。

柳沢

富山と言えば柳沢敦の出身地。 富山に向かう機中、JAL機内誌「SKYWARD」のページをめくると、小松成美さんの連載「アスリートインタビュー」でその柳沢が取り上げられていた。 以下、その概要。

アントラースでサッカーをすることに喜びを感じていた柳沢だったが、現状で満足してはダメ、とイタリア行きを決意。 ところが、イタリアでは素晴らしいプレーよりも結果、上手さより激烈さ、戦術より力業が求められ、優美ではない殺伐とした世界が待っていた。 (そう言いきっちゃうのもどうかとは思うけど。)

戸惑い、チャンスで結果を出すことができず、思い悩む柳沢。 そんな時、ヒデの「やるしかない。 考えたってしょうがない」と言う諦めを否定する一言に、ドイツで代表レギュラーとしてピッチに立ちたいと言う気持ちが改めて強まり、バーレーン戦、北朝鮮戦での活躍に繋げる。

「悩むこともあるけど、ガンコで、最後は自分を貫く」と言う柳沢は、今後も愚直に前に進む。

小松さんは相変わらず淡々とした事実からストーリーを紡ぎ出すのが上手い(←念のため、誉め言葉です)。

「自分を犠牲にしても誰かのために尽くすヒーローにもなりたい」と言う優しさ溢れる柳沢の言葉に「ヘナギスルー」を思い出すとともに、どこかおっとりした富山の街の印象を重ね合わせた。

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コメント

詳細なリポートを楽しませてもらいました。
それにしても、「富山で…見てきた」と東京との距離を
まるで感じさせない淡々とした記述が素敵です(笑)。

投稿: コール | 2006年3月25日 (土) 00:37

こんにちは、TBありがとうございました。今年もサッカー観戦の旅が始まりましたね。富山は未踏の地なので楽しく読ませていただきました。ロッソの試合レポが読めてうれしかったですよー。

投稿: なべら | 2006年3月26日 (日) 12:58

富山の競技場は、東京がJ1に昇格したシーズンのアウェー鹿島戦で行きました。懐かしいです。柳沢の凱旋試合だったのですが、ボールボーイが柳沢の母校で、露骨にホームアドバンテージをやられたのを覚えています。富山もJクラブ発足に向けて動いているようですので、もっと盛り上がって欲しいですね。

投稿: しょういち@東京の空の下 | 2006年3月27日 (月) 23:21

こんにちは。
富山に住んでいます。
JFLのレベルもかなり高いと思います。
しかし、なぜこの富山にJFLの上位チームが2つもあるのにJ入りを早急に進めないのかと思うのは私だけでないはず。愛媛FCがそこそこの成績をJ2で残しているので、アローズとYKKAPがくっつけばいいのに。
企業チームだから、さまざまな思惑があるようです。
JFLは富山で多く開催されています。
また見に来てください。おいしいものもありますし。
富山ダービーだと抽選でいろいろ景品が今年もあたるかも。去年、日本代表のユニホームあたりました(13000円相当)。20名もあたりましたよ。他に日本代表戦チケットや大黒や宮本のサインも抽選していました。

投稿: Tyaru | 2006年4月13日 (木) 23:51

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