「Jリーガー第2の人生 登録抹消選手の進路報告」
先週、こんな記事が目に留まった。
- 昨年、所属チームと契約を更新しなかったJリーグ選手は162人
- そのうち他のJクラブに移籍した選手が58人
- Jリーグを離れた104人のうち、JFLと地域リーグに活躍の場を求めた選手がそれぞれ20人と34人の合計54人。 半分を超えたのは初
- 地域リーグのスカウトもトライアウトを見に来るようになって、選手にとってチャンスが広がった
確かに名の通った選手がJFLや地域リーグに移籍する例が目立った。 ロッソ熊本の高橋泰、ニューウェーブ北九州の水越や小野信義、岐阜FCの小島宏美、Vファーレン長崎の佐野裕哉など。
FC東京関係でも近藤健一がV・ファーレン長崎に、森田が佐川急便東京SCに移籍。 過去の在籍者では浮気がFC刈谷に、小峯が岐阜FCにそれぞれ入団。
新しい活躍の場所が生まれることは選手にとって良いことだし、Jを目指すクラブにとっても、実績のある選手を獲得できるのは良いこと。 けど、すべて万々歳と言う訳ではない。
鈴木チェアマンによると、将来的にJ2を22チームにまで増やす考えらしい。 今J2は13チームだから、単純計算で残りの枠は9。 それに対し、Jを目指しているとされるチームは、ぱっと思いつくだけでもたくさん(※)ある。
(※)グルージャ盛岡、栃木SC、アルテ高崎、長野エルザ、松本山雅、岐阜FC、ヴァリエンテ富山、ツエーゲン金沢、バンディオンセ神戸、ファジアーノ岡山、SC鳥取、カマタマーレ讃岐、南国高知SC、ニューウェーブ北九州、Vファーレン長崎、ロッソ熊本、ヴォルカ鹿児島、FC琉球。 ほかにもまだまだありそう。
枠が埋まればJ3を作るのか? J3を作ったとして興行的に成り立つのか? 結局、Jを目指すクラブのうちの多くがその夢を果たせられないことも考えられる。 大きく投資した挙句昇格に失敗すれば、負担が重くのしかかって存続自体が危ぶまれることになるかもしれない。 過去には福島FC、横浜フリューゲルス、かりゆしFC、ジャトコ改めFCイースタン04など、いろんなことがあった。
その一方で、かなりの戦力を揃えながら、今のところJを目指していない(とされる)チームもある。 例えばJFLの強豪YKK AP、アローズ北陸、ホンダFCなど。 それぞれの事情や考え方がある。 生半可な体制で上を目指して破綻する危険を冒すよりも、持続可能な道を選ぶことも、それはそれで一つの見識。
けど、選手やファンの気持ちからすると、たとえ上に行く権利を獲得できたとしても、それを手放さなければならないなんて、閉塞感を感じる状況であることは間違いない。 先月JFLの開幕戦を見に富山に行ったに書いた記事に対していただいたコメントにも、そんな気持ちが強く現れていた。 YKK APとアローズ北陸の連勝は果たして次のステップに続いているのだろうか?
今Jリーグにいるクラブ。 Jリーグを目指しているクラブ。 そして、今はまだ目指していないクラブ。 どんなクラブであろうと、サッカーの世界で生きているすべての選手達と、そんな選手達をサポートすることで、少しばかり豊かな人生を送れているすべての人たちにとって、夢を見ることができるサッカー界であって欲しい。
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コメント
かつてはウチも昇格できる権利を放棄していたチームでしたね。たとえば富山の2チームといった地域密着の企業が、敢えて全国区になることもないかなとは個人的には思います。法人の設立は昔よりもやりやすくなってるんで、小さなクラブはこれからもどんどんふえていくのではないでしょうか。
投稿: しょういち@東京の空の下 | 2006年4月22日 (土) 01:17