僕は中田のプレーを生で見たことがない 湘南vs札幌 7月1日(土)
「僕は中田のプレーを生で見たことがない。」
飲み会の途中で、誰かが「中田が引退した」と教えてくれたとき、特段の感慨は抱かなかった。
サッカーが僕の生活の一部になったとき、彼は既にイタリアでプレーしていた。 Jからサッカーに入った僕には、代表の中田も、そのプレーに一喜一憂する対象ではなく、結果だけを求める一選手でしかなかった。 それに、常に周りの予想の一歩先を走っていた彼なら、29歳での引退も十分あり得る、と冷静に(ほとんど無神経に)考えていた。
しかし、今になって、冒頭の事実が重くのしかかってきている。
同時代に生きたサッカーファンとして、とてつもなく大きなものを得そこなった感覚。
サッカーファンとしての自分には大きな欠陥があるのではないか。 そんな沈んだ気持ちに突き落とされしまっている。
そして、アスリートとしての彼がプレーする姿を見ることは、もうできない。 取り返しはつかない。
けど、サッカー選手としての中田は、彼の一面でしかない。 今後、ほかの分野で彼が活躍をする姿を見ることができるだろう。
そのとき、冒頭の喪失感を埋め合わせる何かがあるかもしれない。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
土曜には、中田がプロデビューを飾ったチーム、湘南と札幌の試合を観戦した。
8連敗中の湘南と4連勝中の札幌の対戦は、ホーム湘南が2-1で勝利し、久しぶりの勝ち点3を獲得した。
試合も割と面白かったけど、それ以上に印象に残ったのが試合前に登場した小田原観光大使の女性の言葉。
- 子供の頃から家族で平塚を見に来ていた
- 中田のデビュー戦も見た
- 鹿島に7-0で勝った試合も見た
試合会場に来る「ミス○○」がサッカーファンであることは滅多にない。 だから、「おぉ」と思ったけど、それにも増して最後の言葉が素晴らしかった。 一言一句は覚えてないけど、以下のような趣旨だったと思う。
- チーム連敗中だけど、サポータの応援が必要。 頑張って応援しましょう
そのとき、チームにとって一番大事な言葉で挨拶を締めくくる。 分かっている。 そして彼女は勝利の女神となった。
試合
去年以来、湘南は佐藤悠介のチームにだったけど、久々に見た湘南は、佐藤が中心なのは変わらないけど、縦への早い展開をより意識した、若干味付けの違うチームになっていた。
湘南の2得点は、そんな早い攻撃から生まれたもの。 1点目はトップの梅田がアーリーを受け、2列目から飛び込んできた石原が冷静にループを決める。 2点目は左サイドからのアーリーに再び石原がヘッドで合わせたゴール。
対する札幌はセットプレー崩れのボールを拾ったフッキの至近距離からのクロスにDF池内が合わせた1点のみ。
尾亦、松本も90分出場。 尾亦は前見た横浜FC戦のときはプレーに迷いが見られたけど、土曜は自信が伺えた。 松本は相手に寄りかかってしまうファウルが多かった以外は安定していた。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
中田が、紆余曲折を経て名称すら変わってしまったこの古巣でプレーすることも、もうない。
| 固定リンク
「代表」カテゴリの記事
- KE NAKO ~ OUR TIME HAS COME ~ 日本代表の時は来た!(2010.06.25)
- 僕たち 私たちの代表 僕たち 私たちのナオ(2010.05.11)
- 新感覚☆代表戦!(2010.01.08)
- 悔しい代表戦は置いておいて・・・ FC東京U-18vs大宮ユース 6月14日(日)(2009.06.18)
「J2」カテゴリの記事
- 天皇杯優勝、ACL出場、そして・・・ 天皇杯決勝 京都vsFC東京 2012年元日(2012.01.04)
- 垣間見えた強くなって帰る姿 天皇杯 FC東京vsC大阪 12月29日(木)(2012.01.01)
- お互いJ2のような・・・ 天皇杯 FC東京vs浦和 12月24日(土)(2011.12.27)
- コンノノコト パート2 天皇杯 水戸vsFC東京 12月17日(土)(2011.12.24)
- J2 Final 札幌vsFC東京 12月3日(土)(2011.12.11)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント