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2006年11月 5日 (日)

強豪の証明 天皇杯川崎vs鳥栖 11月4日(土)

「松本育夫ダービー」というタイトルにしようかとも思ったけど、川崎を「挑発」するのはポスターだけで十分なのでやめた。

Poster

もっとも、そのポスターも、単に「東京という大都市の影に埋没しがちな隣の川崎」という関係をネタにしているだけで、別に大して挑発的でもないと思うんだけど。 今は東京が下位で川崎が上位だけど、たとえ順位が逆だったとしても、また、東京か川崎のどちらかがJ2にいたとしても、きっと同じようなポスターを作っていたんじゃないかな? どっちが格上か格下かなんて意識はきっとなかったんじゃないか、と思うんですが、いかがでしょう?

ともかく、試合。

 

Todoroki01 Todoroki02

前半はベストメンバーを組んだJ1川崎が一方的に支配した。 ジュニーニョが快足を飛ばしてゴールに迫る。 マルコンのクロスに我那覇、森、マギヌンが飛び込む。 中村憲剛のミドルがバーを叩く。 J2鳥栖は自陣に閉じこもり、ひたすら耐えるしかなかった。 たまに繰り出すカウンターもトップにボールが収まらず、2列目も前と後ろから挟み撃ちに合い、攻撃の形にならない。 川崎がいつでも先制点を奪いそうな雰囲気を漂わせていたものの、鳥栖がなんとか守り切って前半を終える。

鳥栖にとってはおそらく予定どおりの展開。 格下が下克上を果たすには、ひたすら耐え続け、一撃で確実に相手を倒すしかない。 後半、鳥栖はその一撃を加えることができるとっておきの武器を用意していた。 そう、FW新居辰基。 一ヶ月の離脱の後、先週戦列に復帰したばかりのJ2日本人得点王が後半頭から姿を現した。

この新居、単に決定力があるだけではなかった。 ポスト役をやらせても、川崎の大型DFに当たり負けせず、何度となく味方に繋げる。 すると鳥栖の中盤が前を向けるようになり、松本育夫仕込みの速くてテンポのいいパス回しを見せ始める。 さらに元韓国代表のユンを投入し、すっかり鳥栖がペースを握る。

受身に回ってしまった川崎。 前半は前線に張り出していた左・マルコン、右・森の両サイドも最終ライン近くにまで押し込まれてしまう。 憲剛もパスの出しどころを失い、繰り出すパスがことごとく鳥栖の網にかかる。 谷口は単なるラフプレーヤーにしか見えなくなる。 運動量が落ち、単調な攻撃に終始する川崎。 格下の鳥栖がプランどおりの戦いで勝ちを奪うのか? と頭をよぎったそのとき。

鳥栖のCK崩れからの川崎のカウンター。 ボールを持った憲剛が左サイドをドリブルで持ち上がると、ためらうことなく右足を一蹴。 ボールが右側のネットに突き刺さった。 代表戦で見せたあの鋭いシュート。 派手な喜びなど見せず、さも当然というような風情の憲剛。 決して良い出来ではなかったのに、ここぞというときに抜群の集中力を見せてゴールを、いや試合を決めてしまった。

その数分前、関塚監督が打った一手が効いていた。 すっかり消えていたトップ下マギヌンに代わり、ボランチ原田を投入。 憲剛をトップ下に上げ、守備の負担を軽減させていた。 トップ下は2年前まで憲剛が本職としていたポジション。 自分に与えられた役割を完璧に理解し、クールにこなした。 余談だが、頑張れば頑張るほど冷静さを失い、本来の力を発揮できなくなるウチの選手たちとの違いは何なんだろう。 これが自信というものなのか? それとも自覚か?

ともかく、一点先制されたこの時点では、鳥栖はまだ試合をあきらめていなかった。 再び丁寧なボールの繋ぎで川崎ゴールに迫ろうとする。 しかし川崎が一枚も二枚も上手だった。 原田のCKに若いFWチョン・テセがヘッドで合わせて追加点。 前日の千葉を見ているかのよう。 まさに強豪の証明。 終了間際のさらにもう一点加え、途中まで健闘した鳥栖にとどめを刺した。

Todoroki00_1

最後に鳥栖・松本監督のコメントが味わい深い。 今日の試合のもう一方の演出者であるこの名監督(と呼んでも良いのではないか)に敬意を表する意味で、やはり「松本育夫ダービー」というタイトルにすればよかったかもしれない。

 

Matsumoto_1

明日、東京はバンディオンセ神戸相手に強い戦いを見えることができるか?

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