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2007年5月15日 (火)

今だから敢えて疑問を呈しておきたいこと FC東京vs千葉 5月12日(土)

試合の感想の前に (疑問とお詫び)

土曜の試合のあと、疑問を呈したいことがあったのだが、代わりにこのエントリを書いた。 もちろん、代わりに書いたことも本音ではあるのだが、勝利の余韻に水を差すことを避けたくて書いた面があることは否定しない。

で、呈したかった疑問とは、結局東京にはこのサッカーしかないのか? ということ。

前からガンガンプレスをかけて、奪ったら縦かサイドに素早く蹴り込んで、勢いに乗ってゴールするサッカー。 確かにハマれば威力抜群だし、爽快だ。 俺自身、このサッカーが好きだし、このスタイルを捨て去れと言うつもりはない

けど、このサッカーを遂行するには、選手達の気力・体力が非常に高いレベルになければ難しいし、引いてくる相手や、中盤を省略する相手、早いパス回しが得意な相手に対しては、あまり効果的ではない。 たまに大爆発することはあっても、年間を通じて安定して戦うのは難しい。 そのことは、一昨年、昨年に嫌というほど思い知らされたはずだ。 (キャプテン今野がお立ち台で 「浮かれないでください」 と言った真意も、この辺にあるのではなかろうか?)

東京が常に優勝争いに絡めるチームになるためには、殻を破る必要がある。 能動的に攻撃を組み立てて、スペースや数的優位を創っていく、新しいスタイルを身につけることは、避けて通れない道のはずだ。

もちろん、新しいスタイルを身につけるには時間がかかる。 シーズン途中から取り組むのは得策ではないだろう。 まして、速いサッカーに手ごたえを掴んだばかりの今、新しいことに手を出すよりも、速いサッカーに磨きをかけることに専念すべき、というのはもっともだと思う。 (だから、川崎戦後、このブログで博実解任を容認したことは撤回します。 正直に言って、今の東京の選手たちが、あそこまでプレス戦術を遂行できるとは思わなかった。 私の見込み違いだった。 博実が選手のモチベーションをあげる手腕は凄い!)

けど、今年はこのまま行くとしても、来年以降はどうするのか? 快勝したあとの今だからこそ、チームの強化を考える立場にある人たちには、ここ数年の失敗を繰り返さないよう、よくよく考えて欲しいと、声を大にして言いたい。 もし土曜の結果に満足して、イケイケサッカーだけで安心してしまったら、来年以降も同じことを繰り返す可能性が高い。 もちろん、去年のように変わろうとして失敗することもあるから、変わる道筋も含めて、余程の慎重さと周到さが必要だ。

東京らしさがあればいいのか?

それに対して、優勝争いなんかしなくていい。 東京らしい戦いが見られれば満足という意見があるかもしれない。 その気持ちも分からなくはない。

けど、選手達の気持ちはどうだろう? 選手達は少しでも上を、究極的には優勝を目指しているのではないか? 俺はそんな選手達をサポートしたいし、選手たちにはその夢を FCでかなえて欲しい。 ガンバ大阪でかなえたとしても、嬉しくもなんともない。

それに、日本のサッカー界のことを考えたらどうだろう? 川崎が周到に準備してACL予選を突破したように、各クラブがそれぞれ出来る範囲でレベルアップを目指さなければ、日本のサッカーもレベルアップしないし、Jリーグのステータスも上がらないと思う。

Jリーグのステータスが上がらなければ、大分や徳島や水戸や鹿島の観客は減り続け、地方のJクラブや、これからJ入りを目指すクラブの経営が成り立たなくなる。 つまり、そういうクラブでプレーする選手達の選手生命も終わってしまうということだ。

地の利に恵まれ(土曜の味スタには下位チームどうしの対戦なのに、日産よりも多くの客が集まった)、資金的に窮しているわけでもない(と思われる)FC東京は、もっと上を狙うポテンシャルがあるはずだし、貪欲に上にを目指すべきだ。 そうしなければ、ずっと苦しい環境にいるクラブに申し訳ないし、勿体なすぎる。

それに、新しいスタイルを身につけることは、必ずしも東京のを否定することではないのではないか?  東京の速攻が失敗して、バックパスに追い込まれるシーンをよく見るけど、あれはスピードが足りないというより、動きに工夫がなく、スペースや数的優位を活かしきれていないから、ああなっている場合が多い。 新しいスタイルを身につけることによって、速攻の威力が増し、もっと東京らしい戦いができるようになるかもしれないよ!

(やっと)試合の感想

公式携帯サイトの「こう戦う」や、J's GOALのプレビューにあったとおり、前から積極的にプレスを仕掛ける東京。 みんなが相手を追いまくる。 恐るべき集中力と専心。 正直、今の東京の選手たちが、ここまでプレスに集中できるとは思わなかった。 これが原博実の人望なんだろうか? 最近、ちょっと、原博実を見くびっていた。

東京は、登録上は外国人3トップ。 実際は、ワンチョペのワントップにリチェーリと信男がウィングハーフで、ルーカスがトップ下。 信男が効いていた。 ワンチョペも、なかなかどうして、スピードも運動量もある。 以前、ワンチョペはイケイケサッカーに合わないと書いたけど、見立てが間違っていた。 ワンチョペ、ゴメン。 (意外と福西もイケイケサッカーに合うかも? それはないか。)

開始早々、徳永のロングシュートが良い余韻を残す。 ここ数試合のぎこちない試合運びとは対照的に、ポジティブな雰囲気が漂っていて、俺は早くもこの時点でかなり満足していた。

それに対し、千葉も序盤は大きな展開や早めの放り込みで東京のプレスをかいくぐり、チャンスを作っていた。 巻のポストを受けた羽生が抜け出し、土肥がシュートを間一髪防ぐなんてシーンもあった。

けど、悲しいかな、千葉は去年までの千葉ではない。 監督が変わったことは言わずもがなだが、去年まで控えだった工藤や中島を先発で使わなければならない選手層では、いかにも厳しい。 勝ち点を重ねられず、先に失点すると自信を失うのも、調子を落としたチームに共通の病だ。

加えて、千葉は山岸の負傷退場が痛かったんじゃないかと思う。 決して上手い選手じゃないけど、攻撃が途切れそうなときにゴール前に上がってきて、フィニッシュする力があるからね。 楽山はキレイに繋ごうとするが、意外性に乏しいというか、淡白だ。

前半26分、ルーカスが左サイドから中に切れ込んで矢のようなシュート! 去年の松本でのゴールを思い出す、速く、鋭く、美しいシュート。 疲れているはずなのに、よく抑えが効いていた。 最高だった!

後半、東京の足が止まって、千葉の反撃を食らわないか不安だったけど、それは無用な心配だった。 リチェーリが不慣れな相手DF陣を詰め、ボールを奪うと、相手DF3人を引き寄せて、ドフリーのワンチョペに完璧なパスを通し、ワンチョペもダイレクトで完璧なシュート!

リチェーリのグラウンダーのパスがよかった。 バウンドしてたらワンチョペが合わせられなかったかもしれないし、トラップしていたら立石に詰められていたかもしれないから。

さらに、バックパスを受けた立石をリチェーリが猛然と詰め、弾いたボールがゴールに吸い込まれて3点目。 リチェーリは高い位置でボールを持って相手に脅威を与え続けていた。 かと言って持ち過ぎることもなく、ディフェンスも頑張っていた。 これまでサテライトでも見たことが無いほどの良い出来だった。 もし、今後もこの調子でプレーできたらとても嬉しいが、果たして。。。

東京と代表の試合を通じて、久々に良い梶山を見た。 パス、ドリブル、そしてボールを貰う動きで東京の攻撃を牽引。 相手ボールも粘っこく追いかけた。 終盤はFWのような位置取りでチャンスを演出。 ただし、相変わらず絶好機にミドルを打たないのが正直残念。 2005年の課題に戻ったというべきか、やっと2005年の調子まで上がってきたというべきか。

規郎もよかった。 水野を終始フィジカルで圧倒し、攻めあがっては何度もナイスクロスを上げていた。 終盤には惜しいシュートも何発か放った。 あれに、誰かがファーサイドに走り込む形を整備できればいいな、と思った。 この試合に限ってはディフェンスも金沢より安定していたね。 あぁ、右足も使えれば、もっといいのに・・・。

面白かったのが、ルーカス←→梶山←→伊野波←→今野が見せた、縦のポジション・チェンジ。 こういうことを縦横無尽にできれば、攻撃のスピードは上がるし、ディフェンスでも穴が空きにくい。 終盤、今野が上がってきたと思ったら、浅利だったシーンは笑ってしまった。

最後に余談

土曜は、昼間は保土ヶ谷に行き、関東リーグの東邦チタニウムvs町田ゼルビアを観戦。 その後、一旦帰宅したのだが、不安で不安で、なかなか足がスタジアムに向かず、結局味スタに着いたのが18時30分頃。 スタに着いても、なんか落ち着かず、当方はUソシオなのだが、顔見知りを求めてゴール裏に行って右往左往したり、選手紹介のときもコンコースをフラフラしたり。

腹をくくって席に戻り、You'll Never Walk Aloneを久々に腹の底から歌ったら、不思議と勇気が沸いてきた。 理由は分からない。 そして隣の席の人は俺以上に大声で歌っていて、すごく嬉しかった。

後半からゴール裏に移動。 最後列の通路で、味スタでは久々に声を出しながら応援。 点が入るたびに壊れた。 スタジアムで知ってる・知らない日本人と抱き合うことはよくあるが、知らないイギリス人達と抱き合ったのは初めてだ。

そのイギリス人達に今野の名前は覚えておけ! とアピールしておいた。 最高に嬉しい夜だった。

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コメント

東京は、「相手の裏をかく」ということをあまりしません。「勝負」という面では、まだまだ甘いと思います。違うプレーを織り交ぜて得意なプレーを生かすということができていないように思います。今の東京は、別の変化球を覚えきれず今までのウィニングショットも効かなくなってしまったピッチャーを思い出します。

投稿: しょういち@東京の空の下 | 2007年5月15日 (火) 00:34

別にベースはそのサッカーでいいんじゃない? ただし試合は90分だし、今のご時世、試合途中やシーズン途中でシステムを臨機応変に変えるというのは特別でもなんでもない。そしてそのミックス方法は無限だ。

投稿: Tcx | 2007年5月15日 (火) 01:47

速攻とfctfanさんの言う「新しいスタイル」は別に矛盾しないと思います。ポゼッションとカウンターみたいなトレードオフじゃない。
速攻型で常勝チームになる、まあ例えば「優勝した時の岡田マリノスのようなチームになる」っていうのを追求すべきかと。

あと、山岸は守備的でした。変則4バックのような。交代した楽山がプレーした時間のほとんどは追いかける状況だった。ジェフサポの中にも楽山を批判してる人がいますが、「ノブオが良かった、楽山が悪かった」と言うより「ノブオが活躍できる試合展開だった」って感じですかねぇ。

投稿: メトカラ | 2007年5月15日 (火) 10:00

「その通りだよ!」といちいち納得しながら読ませていただきました。ここ数年の長すぎる停滞から、そろそろ抜け出してほしいものです。もっと成長できるポテンシャルがあるのにそれがかなわないから、見ていてどうにももどかしいのです……。

投稿: つぴぃ | 2007年5月15日 (火) 10:04

僕の鹿島戦の時の考えはちょっと間違ってたのかもしれませんね。でも守備的な戦い方ができるようになったと言う意味では幅が広がったと言えるかもしれません・・。後は「能動的な攻撃の組み立て」と言うのはその通りですよね(原さんは絶対に分かってますって。って少し思い込みすぎかな・・?)

掲示板等では「福西を戻すな」と言う意見が出てるけど、それじゃあ進歩ないよなとも思います(梶山&伊野波のコンビは良かったけど)。その辺はどう思いますか?

それにしてもノリオ選手はSBで本当に良くなりましたね。決してまぐれではなくて進歩してますよね。もう少しSBで使い続けたほうがいいと思います。ガーロの指導も大きかったんじゃないかな。

投稿: Bull | 2007年5月15日 (火) 23:02

しょういち様
うまい比喩ですね。
長文をグダグダ書く必要なかったな(苦笑)

Tcx様
はじめまして。コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、今のベースを基に積み上げていくことが大切ですよね。
3月に福岡vs鳥栖を観たのですが、福岡が試合中に難なく4バック→3バック→4バックの変更をこなすのには驚きました。だから、福岡のサッカーがいいとは限りませんが、それに比べると、東京はオプションが少ないと思うのです。。。

メトカラ様
こんばんわ。gif使わせてもらっています!
おっしゃるとおり、「速いサッカー」と「新しいサッカー」は二者択一ではないですよね。
言いたかったのは、「ただ速いだけで、サイドや前に機械的に出すサッカーでは、いずれ(というか既に)行き詰る」ということでした。
スピードと連動の両方を追及して欲しいですね。

この日の山岸は守備的で、怪我したときも低い位置にいましたね。
ほかの試合では、巻や羽生が作ったポイントに、後から上がってきて絡むシーンが目に付いたので、そのイメージのまま書いていました。ご指摘ありがとうございます。

つぴぃ様
試行錯誤しつつ、一生懸命進んでいるという姿勢は見て取れます。
ただ、例えば、メッセージボード一つを取っても、オドオドしているかと思ったら変に強気だったり、安定感・安心感を欠く。あまりにアマチュアっぽいんですよね。まぁ、良いところでもあるのですが。。。

Bull様
博実は浅利を入れて守備を安定させ、千葉戦ではプレス戦術を徹底して、攻撃的守備を復活させました。多少試行錯誤はありますが、結果的に良い手は打っていましたね。
その先については、、、分かりません(笑)。
ただ、東京がステップアップするには、、、博実には2002-2005年のとき以上のものを見せてもらわないと!

福西に関しては、根拠はありませんが、意外と原さんはうまく馴染ませるかもしれませんね。これまでも戸田や石川、宮沢など、特殊な「一芸」選手をうまくチームに組み込みましたから。(ただし、そのポジションに拘りすぎる嫌いはありますが。)

規郎は良かった。千葉戦ではSBとして1対1もうまくこなし、着実に進歩していると思います。
ただ、SBでの活躍したのもまだ一試合ですし、オフザボールの動きには不満があります(危機察知が足りないのか、味方が囲まれているときにボーっとしていることがある)。
間違いなく大器なので、大きく成長して欲しいですね。そして、ノリオキャノンミドルも見たい!

投稿: fct-fan | 2007年5月16日 (水) 00:00

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