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2007年5月29日 (火)

弱者の戦い方 東京は? 川崎vs大宮 5月27日(日)

川崎vs大宮を見てきた。

同期昇格ダービーとか、電電ファミリーダービーなどと呼ばれるが(呼ばれないか)、両チームの立場は親会社どうしの関係とは正反対で、富士通が強く、NTTが降格圏を彷徨っている構図。

試合の詳細については一番下のリンク先を見ていただきたいが、下位チームの戦い方について考えさせられる試合だった。

Todoroki00_2

大宮は前半から引きこもり作戦。 ボールを奪ってもトップのエニウトンに当てて、右・吉原と左・藤本が上がるだけ。 まったく厚みのある攻撃を仕掛けられないというか、そのつもりもないというか。

まぁ、J2・三浦俊也前監督の頃から、綺麗な3ラインを崩さない(=SBが上がらない)大宮だったが、監督が変わってもその辺は変わってないというか、三浦の頃とは無関係に、今の状況ではロバート現監督もそういう戦い方を選ばざるを得ないというか。

そこまで守備を重視した相手だと、さすがの川崎も攻撃のためのスペースを消されて、なかなかチャンスを作れない。 しかもこの日の川崎はジュニーニョ抜きで、バイタルエリアでのキープ力が普段より一段劣っていた。

後半、それでも川崎が大宮ディフェンスを掻き分けて大橋がゴールを決める。 マギヌンがドリブルで相手DFを引き寄せて、裏に抜け出た大橋がダイレクトで打った見事な攻撃。

その後も川崎がペースを手放さず試合を進め、このまま試合が終わると思われたロスタイム。 大宮は右サイドに出たボールを繋げて、途中出場のFW若林がセンタリングに合わせた。 ボールは一旦ポストに当たり、川島が必死にかき出そうとしたものの、そのままゴールに吸い込まれた。 元栃木SCの長身FW・若林のJ初ゴールで1-1の振り出しに戻り、そのまま試合終了。

Wakabayashi00 Wakabayashi01

典型的な弱者の戦い方で勝ち点1をもぎ取った大宮。 同じく下位に沈む東京の場合はどうだろう?

東京がこの日の大宮のように、引いて受けることは少ない。 皆無ではないけど、そういう場合は、意図して引いているのではなく、手も足も出なくて、望まないのに結果的に押し込まれている場合が多い。 むしろ、引きこもりも、低い位置からのカウンターも、放り込みも、本当は苦手と言えると思う。

東京、もしくは博実の代名詞と言えば「攻撃サッカー」。 その真骨頂は、「攻撃力がある」ということでは(残念ながら)なく、「攻撃的な姿勢」ということ。 強い相手にも怯まず、弱い相手にも手を抜かず、前線からプレスを仕掛ける(「攻撃的な守備」とも言う)。 ボールを奪ったら、素早く上がってスピーディーかつ強引にゴールに迫る。

観ている側からすると、ジェットコースターに乗っているかのようで感情移入しやすい。 パス回しで相手の守備を崩す遅攻よりもアップテンポなノリなので「攻撃的」に見えた。 (得点力は劣るかもしれないが。。。) そして、相手からも嫌がられた。

そして、またいつもの話になってしまうけど、このサッカーはいつも結果が出た訳ではなかった。 フィジカル・コンディションが万全じゃなかったり、引きこもる相手や、プレスをかわしてくる相手の場合、苦戦することが多かった。 前週良かったのに、翌週はグダグダ、その翌週にはまた良い、ということがよくあった。

そんな状況で2004年、2005年と過ごし、東京がさらに上の成績を目指すには、そんな「攻撃サッカー」に加え、ポゼッションも出来る必要があるということで監督を変えてみたのだけど、新任が自分の良さを見せる前に、前任の良さまで消えてしまい、あえなく失敗。 (この辺は監督や現場だけの責任ではなく、フロントを含め、コミュニケーションに慣れていなかったのだろう。) そして、(上述の意味で)「攻撃的じゃない」ということで(一部)サポのウケも悪かった。

今度は、ドイツW杯のレギュラーMFや、W杯で2得点を挙げた外国人FWを獲得してみた。けど、相性が良くなかったり、期待よりも動きが鈍かったりして、想定したほどの活躍をしてくれず、今のところ苦戦中。

で、今は改めてプレスサッカーに原点回帰中というところだろう。 監督の良さ・持ち味もそこにあると思うし。 つまり、川崎のようなパス回しはもちろん、大宮のような守備的な戦いに徹するための準備もできていない、ということで、引き続きプレス・サッカーで、たまに爆発しながら、勝ったり、負けたり、負けたりを繰り返すのだろう。。。

まぁ、東京はフロントもサポも高い授業代を払いながら、良い経験をしていると思う。 これまでの点を整理して、教訓にして、次に繋げてほしい。 断じて降格してはダメだ。 授業がすべて無駄になってしまうから。

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