地域リーグ決勝大会を観てきた 11月23日(金)、25日(日)
先週末の金曜と日曜は全国地域リーグ決勝大会の一次ラウンド・Dグループを見に、松本・アルウィンに行ってきた。
この大会についてはだいぶお馴染みだけど、ひとことで言えば、全国9地域リーグの上位クラブと全国社会人サッカー選手権大会の優勝(準優勝)クラブが、JFL参入を目指して戦う大会。 (詳細はウィキペディア参照。) 今年の一次ラウンドは松本、刈谷、広島で開催。
短い期間に連戦しなければならないことや、クラブの一年間の命運が握られる一発勝負であることから、一部では「日本一過酷な大会」などとも呼ばれているらしい。
去年、高知でこの大会を観て、緊迫感と、勝者と敗者の明暗がくっきり分かれる様にハマり、今年も松本に行ってきた。
北アルプスが姿を現す。
松本で戦ったDグループは、北信越リーグ1位の地元・松本山雅FC、中国リーグ2位のFCセントラル中国、四国リーグ1位の徳島ヴォルティス・アマチュア、全社優勝(関西リーグ2位)のFC Mi-OびわこKusatsuの4クラブ。 山雅には2年前まで鏑木享が所属していたね。
FCセントラル中国 vs FC Mi-OびわこKusatsu 11月23日(金)11:00KO
中央道の渋滞をくぐり抜け、KOにギリギリ間に合った。
前評判では全社を制したMi-Oびわこ有利とのことだったが、そのとおり1-9と一方的なスコアとなった。
けど、試合内容は点差ほど一方的だった訳ではなく、セントラルも何度もドリブルやパス回しでMi-Oゴールに迫っていた。
勝負を分けたのはDFの厳しさという印象。 つまり、フリーでシュートを打たせるか打たせないかや、GKとDFとの連携という部分でMi-Oがずっと上回っていた。 また、Mi-Oは直接FKで3点も取ったのだが、セントラルにとって中国リーグでこれだけ正確なFKを蹴れる選手と当たることは滅多になかったのだろう。
昨年に引き続いて出場のMi-Oは、その経験を存分に生かした印象。 ペースを握って離さず、畳み掛ける時に畳み掛けて勝負を決める。 選手交代のカードも早めに切って消耗を避ける。 申し分のないスタートを切った。
Mi-Oのバスは去年も見たな。
松本山雅FC vs 徳島ヴォルティス・アマチュア 11月23日(金)13:15KO
地元の期待を背負った松本山雅が4-0で勝利。
松本はマイボールの時には両MFが上がって4-2-4になる攻撃的な布陣。 ボールを早めに前線に運んで、キープした選手はどんどん勝負を仕掛ける。 なかなか意欲的なサッカーをしていた。
対する徳島ヴォルティス・アマチュアも規律の取れたサッカーをしていたけど、ゴールを目指す迫力という部分で山雅よりも慎重で、なかなかチャンスを作れなかったと思う。
迫力ある山雅ゴール裏。
駆けつけたヴォルティスサポも熱い応援を繰り広げていた。
両ゴール裏に挨拶。
売店も出ていた。
11月24日(土)に開催されたセントラルvs山雅、Mi-Ovsヴォルティス・アマは、それぞれ前日勝った山雅(0-4)とMi-O(2-1)が勝ち、Dグループ1位はMi-Ovs山雅の直接対決で決まることとなった。
25日(日)朝、藤野PAから。
FCセントラル中国 vs 徳島ヴォルティス・アマチュア 11月25日(日)11:00KO
途中までは競った試合だったのだが、最後は緊張の糸が切れたかのように、セントラルが失点し続け、0-6でヴォルティスが勝利。 終盤、ヴォルティスでは大黒の弟が出場していた。
2001年結成のセントラルにとって、6年目での地域リーグ決勝大会はよい経験になったのではないか? ファジアーノ岡山の決勝ラウンド進出により、中国リーグは来年も2枠を確保したので、来年もチャンスがある。 この経験を活かして、一歩一歩進んで行きたいところだろう。
聞くところによると、ヴォルティス・アマチュアの選手達は全員2年契約とのこと。 ヴォルティスはJサテライトには参加しておらず、代わりにヴォルティス・アマチュアを運営することで、多くの選手にチャンスを与える、という方針らしい。 戦力を蓄積していくことは難しいかもしれないが、クラブにとってよい経験になったはず。 また頑張れ。
FC Mi-OびわこKusatsu vs 松本山雅FC 11月25日(日)13:15KO
試合前の山雅サポの決起集会
Dリーグの首位を巡る決戦。 JFL参入を目指す両クラブにとって、運命の一戦。
ツエーゲン金沢のサポも応援に駆けつけていた。 山雅が決勝ラウンドに進出すれば、来年のこの大会で北信越リーグは2枠を獲得できる。 Jを目指す各チームにとって切実な問題だ。
試合は序盤から山雅ペース。 相手の前に身体を入れてボールを奪うディフェンスから素早くボールを運んでMi-Oゴールに迫る。 かと思えば、中盤で細かく繋いで試合を支配する。 しかし、なかなかシュートチャンスに持ち込めず、ゴール前の混戦でもボールを押し込めない。
対するMi-Oは時折カウンターを見せる以外、低く構えて、素早く寄せて山雅に決定的なチャンスを許さない。 結局、山雅が終始試合を有利に進めながら0-0で前半終了。
後半開始早々、Mi-Oがカウンターから一人で持ち込み、そのままゴール! 押されていたMi-Oが先制。 しかし、山雅にとっても、まだまだ時間はある。
しかし、ここからMi-Oがしたたかだった。 山雅にボールを持たせつつ、プレッシャーを強め、相手に形を作らせない。 山雅は徐々に両サイドが徐々に息切れし、コンパクトさを保てなくなる。 そして焦りも加わり、攻撃が雑になっていく。
そして、再びMi-Oがカウンターから冷静に2点目のゴール! 山雅も最後まで諦めずにゴールに迫るが、そのまま2-0でMi-Oが勝った。
Mi-Oは前年と全社の経験を活かし、一次ラウンド敗退の無念を見事に晴らした。 前半、我慢を重ね、後半、勝負を仕掛けるべきポイントを冷静に見極め、一気に決める。 見事な試合運びだった。 さすが、昨年岐阜をJFL昇格に導いた戸塚哲也監督が率いているだけのことはあると思った。
勝利したMi-O。 おめでとう!
対する山雅。 JFLを目指してきた1年が終わってしまった。
地元開催ということで多く集まったサポーターの中にも、泣き崩れる人がたくさんいた。
泣いて顔を上げられない選手も。
山雅も元Jリーガー辛島監督に率いられたクラブ。 戦える力は存分に発揮した。 ただ、決めるべきところで決め切れなかった。
来年、再び一から北信越リーグを戦わなければならない。 しかも、北信越リーグからこの大会への出場枠は再び1で、その1枠を巡り、山雅、パルセイロ、JSC、ツエーゲン、フェルヴォローザ、ヴァリエンテ、サウルコスなどが争う。 厳しい戦い。
山雅はこの貴重な経験を活かし、再びこの舞台に戻ることができるだろうか? 今回、知り合った山雅サポのためにも、それを願わずにはいられなかった。
翻って、FC東京。 いかに恵まれている立場にあるかを思い知る。 同時に、その立場に安住せず、少しでも上を目指して、選手、監督・スタッフ、フロント、サポが足を引っ張り合うのではなく、それぞれがそれぞれの役割を果たさなければ。
帰りにも富士山が見えた。
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