2008年ストーブリーグ雑感(行く人編)
東京関連では今年最初のエントリ。
移籍動向については、ある程度出揃ってから書こうと思っていたが、想像以上に動きが激しいことと、溜め込むと新鮮な印象が薄れちゃうので、ここいらでちょっと書いてみる。 まずは出て行く人編。 (書いている途中にも、情報が更新されていき、どんどん膨れ上がっていくよ!)
ルーカス
事前の報道で心の準備は出来ていて、それほどのショックはないけど、親しい友人が去ってしまうような寂しさがある。 他の方のブログを読んでも同じ気持ちの方が多いような。
ルーカスと言えば、即座に「献身的」という言葉が浮かぶ。 前線から90分間ボールを追いかけ回し、相手に囲まれながら必死にキープし、無理な体勢からでも表情を歪めながらシュートを打つ。
その頑張りは、互いに連動を欠く東京では孤軍奮闘の感があり、空回りの部分もあった。 プレスとキープに神経をすり減らすのではなく、もっとシュートやクリエイティブな部分に意識を持っていくことできれば、ずっと活躍できるのに、と思っていた。
そのルーカスがガンバへ。 ガンバにはバランスに優れ、成熟した中盤があって、強力なストライカーがいる。 その繋ぎ役として活躍するルーカスの姿が目に浮かぶ・・・。 (まぁ、実際どうなるかは、蓋を開けてみるまで分からないが。)
東京がルーカスの穴を埋められるかは、(新外国人FWの獲得できるか否かはひとまず置いておいて)、若いFW達の奮起にかかっている。 祐介、赤嶺、平山が、ルーカスにはないそれぞれの特徴を発揮して、そしてルーカスの献身さを少しでも見習ってくれれば・・・。
土肥・福西
ヴェルディですか・・・。
これが、他のクラブであれば、単純に 頑張って! で済んだかもしれないのだが、よりにもよって因縁のヴェルディ・・・。
そんなぁ~と思う感情的な自分と、別にどこだっていいじゃん(文句を言えた義理じゃないじし)?と思う冷静=冷たい自分がいて、まだ消化しきれていないのが正直なところ。 まぁ、後者が若干優勢だが。
とにかく、エルゴラの東京書簡じゃないけど、ダービーとてつもなく大きな因縁、注目、「付加価値」が生まれた。 ダービー当日には、楽しみ・不安・ストレスに圧し潰されそうだ。 無事、キックオフを迎えられるだろうか?
伊野波
鹿島への完全移籍が濃厚とのこと。
まず、伊野波は東京でポジションを確立できていないことがポイント。 出番がないなら、外に目を向けるのは当然だろう。 で、声をかけてきたのは、なんとチャンピオンクラブ。 周囲のレベルや意識は(東京より)高いだろうし、ACLでも戦える。 本人のキャリアにとっても、北京を見据えても、絶対的に魅力的なオファー・・・。
鹿島にとっても、ACLを含む厳しいスケジュールをこなすのに伊野波の若さとユーティリティは魅力的に見えたのだろう。
そしてFC東京にとってどうなのか? 正直、困る、という切実感がないんだよな・・・。 結局、どこが適正ポジションなのか、どんなプレーが持ち味なのか、分からなかった。 印象に残ったのは、2006年のすっぽんマンマークだろうか? 中盤ではパスの精度の低さが目に付き、サイドでは裏を取られることが多く、CBではロングボールの目測を誤ることが多く・・・。
適正を鹿島で見つけるのか? そんな悠長なことを言ってられるのか? それとも、ユーティリティを生かして、穴を埋めていくのか、ゆっくりポスト青木を狙うのか? 分からない! (けど、頑張れよ。)
増嶋
増嶋みたいに鳴り物入りで入った高校サッカーのヒーローの成長を、他のクラブに託さなければならないのは、とても悔しい。 上手く育てば、戦力面だけでなく、営業面、イメージ(ソフトパワー)の面でとても大きな財産になったと思うのだが。 けど、使いながら育てる余裕というか甲斐性が今の東京にはないのだから仕方ない。
ところで、去年、増嶋は甲府で東京時代とはかなり違うサッカーを経験したと思う。 京都がどのようなサッカーを志向しているのかは分からないが、様々なサッカーを経験できることを、良い方向(戦術理解力、対応力、柔軟性)に繋げて欲しいと思う。 そのためには、できるだけたくさん出場して欲しいが、果たして・・・。
そして、東京としては、確実に増嶋を取り返し、成長を東京の戦力として還元させること! ここの部分が一番肝心で、用兵や戦術面での整合、資金の裏づけ(そして、場合によっては売る決断とその対価)など、中長期的な戦略が問われると思う。 東京に限らず、どこのフロントであっても、とても難しい作業だ。
リチェーリ・小澤
リチェーリはJ2山形、小澤はJFL鳥取へ、それぞれレンタル移籍。 共に出場機会を求めての移籍だろう。
特に小澤は、これまでほとんど実戦を通じて伸びる機会がなかった。 今年も今のところ4番手のFW。 だから、コンスタントに出場できる環境を求めるのは良いこと、というか当然のことだと思う。 じゃないと、伸びないもんね。 JFLということに疑問を持つ向きも多いみたいだけど、決して甘くない、舐めちゃいけない、とだけ言っておきます。
リチェーリは去年のサテライト山形戦で2試合とも活躍し、山形市陸で山形サポから冗談で 「リチェーリ頂戴」 と言われたのだが、本当に移籍となった。 たぶん、山形側も好印象を持っていて、期待も大きいと想像。 年間を通じてコンスタントに出場し、安定して活躍できるのか、リチェーリにとって新たなチャレンジだと思う。
と、リチェーリと小澤本人にとって、この移籍は悪くないと思うのだが、問題は東京のFWが今のところ3人しかいないこと! (そういえば、一昨年もそうだったな。) 誰か上手く獲得できればいいのだが・・・。 合成の誤謬。
そして、増嶋の場合と同様、東京はきちんと成長した二人を取り返し、成長の果実を刈り取ること!
規郎
一番情報が混沌としている?のが規郎。 神戸なのか、残留なのか、はたまたフランスなのか。 (余計な口を滑らせるお節介もいるし。)
個人的に、移籍報道で一番ショックだったのも規郎。 単に突然だったからだけではなく、荒削りというか未完の大器というか、伸び代が一番ある選手だと思っていたし、スケールの大きいサイドプレーヤーになるのを見るのが楽しみだったのだが。
ボールを持っていない時の動きの悪さとか、こぼれ球への反応の鈍さとか、ピンチへの鈍感さとか、好不調の落差の激しさとか、右足とか、課題が多いのは百も承知。 それでも、規郎は夢を見させてくれる選手。
例えば、足元が上手くてクレバーだけど小さい選手と 動きはいまいちだけど大きくてフィジカルに恵まれた選手の二人の選手がいたとしよう。 前者が大きくてかつ足元も上手い選手になることは、ドーピングでもしない限り不可能。 けど、後者はもしかしたら訓練次第であり得る。
アウェイの清水戦や鹿島戦。 警戒されていても、軽くその上を行ってしまった規郎の左足。 そして、ホーム千葉戦。 規郎は、敢えて言えば体格差だけで水野を完封したのだ。 そんな規郎がクレバーな動きや身体の使い方、シーズンを通した安定を覚えたら・・・。 規格外のサイドプレーヤーになるのに。
八田
高さはあるし、JでやっていくDFとして最低限の能力・資質は間違いなく備えていると思う。
東京の試合ではポカがあったけど、出場を重ねて試合勘が戻れば減っていくだろう。 横浜FCでしっかりポジションを掴んで、山尾のようにチームに貢献して欲しい。 観にいくよ!
信男
2シーズン過ごした小平で自主トレしているという信男。 トライアウトでもいい動きだったようだが、今のところ獲得の情報はない。 (FWが3人しかいない某クラブがあるが、まぁ、サッカーのタイプが合わないかなぁ・・・。)
個人的には、湘南で頑張っている加藤望のイメージとだぶる。 信男の方が不器用だけど、スピードなら信男だ。
新潟さん、突然千葉に帰っちゃった坂本に代わる隊長として、地元出身の信男はどうですか? 例えば、試合終盤に、ターゲット矢野貴章の影から飛び出して相手DFをかき回すスーパーサブとして持って来いだと思う。 何より、若手のいい模範になると思うのだが。
阿部ちゃん
吉朗と東京にとっての不幸は、2004年~2006年にかけて、東京がツートップをうまく機能させられなかったことだと思う。
ワントップにはルーカスがいるし、そもそも吉朗はワントップタイプではない。 サイドには戸田、石川、規郎がいた。 トップ下(というか遊撃手)のケリーもいた。 馬場や祐介もいた。 吉朗は途中出場が多くなり、2005年には出場機会を求めて大分に行ったが、そこでも右サイドでの出場が多く、途中でFW不足の東京に帰ってきた。 けど、2006年も振るわず、去年は柏に行ったものの、さらに出場機会を減らし・・・。
今年は湘南へ。 吉朗の実力なら活躍できると思うのだが、上手くフィットして欲しい・・・。
全体
まず、外国人枠は埋まるのだろうか? 絶対埋めるべきじゃないだろうか? 制度上認められている権利を行使しないのは、余程余裕があるか、さもなければ怠慢だ。
フロントも、いろいろ事情があって大変なのだろうけど、フロントは結果責任を問われる役割。 確かにサポの文句には感情的なものや身勝手なものも多いけど、結果を出していない以上、甘んじて受けるしかないのでは?
自分もブログでキレることはある。 特に、人の気持ちや心情を逆撫でするようなことがあったとき。 最近では、メッセージ・ボード、FCソウル戦@国立、そして戦力外(土肥、福西)発表のタイミング。 (結局、この戦力外については、リークだったのか、フロントの意図せざるものだったのかは分からず、自分の勇み足だったが。) 逆に、個々の獲得や解雇の是非や成否については、キレることはない(つもり)。
今年、東京がうまく行くか、行かないのか。 どうも、城福の作り上げる戦術への依存度が過度に高くなっていると思う。 (つまり、城福次第になっちゃっている、ということ。) そこの部分は大いに期待はしているが、同時に不安も大きい。
モノゴトは蓋を開けてみないと分からない。 戦術の浸透にどれくらいの時間がかかるのか(数ヶ月? 半年? 1年?)、ちょっとしたボタンの掛け違いで、成否が分かれることもあるだろう。
一番嫌なパターンは、戦術が浸透しきれずなかなか勝てない → サポーターが騒然としはじめる → 監督が焦り始めて、目先の勝ち点を求めて行き当たりばったりになる、または、上手くいかないやり方に固執して泥沼に陥る・・・。
ガーロの時みたいに、サポがピッチに向けて敵意を向けるような事態を見るのはもう絶対ご免だ。
そうならないように、自戒を込めて書くが、サポの側にも我慢が必要だろう。 特に、監督や選手を焦らせて、テンパらせないように。 そうなると、どんどん悪い方、悪い方へ行くだけだろうから。
他クラブ
仙台には由紀彦と宮沢が加入。 栃木ではコバに加えて星と松田が再びコンビ結成。 (追記: さらにFC東京U-18→明治大の斎藤雅也も加入する。) これは気になる・・・。
ジャーンと阿部と三田がいる平塚や、八田がいる三ツ沢にも何度か行く機会があるだろう。
関西方面では京都の増嶋、セレッソの尾亦・・・。 小澤のいる鳥取にも行きたい。 J2に上がった熊本には喜名がいるし・・・。 (誰か忘れていないかな?)
来年は(も)、全国を巡るのが大変である。
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