サポ失格!? ナビスコ杯 FC東京vs磐田 4月16日(水)
試合が終わって最初に思ったことは、「リーグ戦じゃなくて良かった~」 だった。
これまで 「世界へ!」 とか、「東京には良い選手達が揃っている!」 などと書いてきた割には、降格への恐怖心を未だ払拭できておらず、まず残留を確保しないことには次の目標(例えば、ナビスコ杯制覇)に目を向けられない状態なのが、我ながら情けない。
ナビスコ杯はパンパシ@ハワイに出られるし、スルガ銀行杯もあるし、賞金もあるし、いろんな意味で費用対効果の大きい大会で、東京のトップチームがこれまで獲得した唯一のタイトルということもあるし、もっと貪欲に求めなければならないはずなのだが。 もっとチームを信じなければ。
と思ったら、昨日の日経のスポーツ欄「フットボールの熱源」に面白いことが書いてあった。
JリーグのGMを集めた講座で、リバプール大学(レッズの西野努氏や、元FC東京フロントのF氏などが出身)から来た講師が語ったところによると・・・、
プロサッカークラブが観客に売るのは「夢」でも「感動」でも「熱狂」でもなく、「苦痛」。 サポは先制されれば心を痛め、負ければなおのことで、勝ってさえ「こんなことで残留できるのか」と思い悩む。 もちろん、観客は勝利の歓喜を求めてお金を出すが、実際はほとんど苦痛ばかりをつかまされている・・・。
それを聞いた一人は、苦痛を感じてくれるのは、そこに愛があるから。 クラブのために苦悩してくれる人。 「サポーター」という言葉は、そう定義付けることができると思った・・・。 歌手や音楽家や俳優を支持するのとは、心理的なつながり方が決定的に異なる・・・。
「クラブ関係者は、苦しみを抱えている人々と日々向き合っているということを意識しなければならない。」と講師。 その点をおろそかにすると愛は時に破局を迎える・・・。
心当たりが大有りで笑ってしまった。 1ヶ月くらい前にサポティスタや「はてブ」界隈で議論されていた「サポーターと消費者」論争にも示唆を与える話だろう。 東京サポなんてまだマシかもしれない。 応援しているクラブによっては、破綻や消滅すら現実的な心配事なのだから・・・。 (そんな思いをしているサポに対して、「サポは消費者に過ぎない」なんて言えるだろうか?)
と、大笑いした後、「苦痛」とこれからも付き合っていかなければならないのか、と思うと、次は苦笑いするしかない。 たまに先週の東京ダービーのようなカタルシスを感じる瞬間はあっても、すぐに現実に引き戻される。 昨日の試合のように・・・。 けど、それを繰り返すうちに、中毒症状は激しくなっていく・・・。
最後があまりにアレだったんで、つい負けたと思ってしまうけど、引き分けだったんですよね。 けど、ちょっとグッタリして、知人の誘いを丁重にお断りしてまっすぐ家に帰りました。 (すみませんでした。)
味スタに着いたのは前半26分くらい。 そこからハーフタイムまでは一方的な東京ペースだった気がする。 太田、前田、カレンなど磐田に怪我人が多いというのはあるだろうけど、東京も羽生、石川、エメルソン、ユースケと怪我人だらけ。 (カボレは大丈夫だろうか・・・?) それであれだけ押せるのだから、磐田が弱くなったというのもあるけど、東京は東京で強くなったんだと思う。
というより、選手という意味では去年あたりからかなり揃っていた。 ただし、能力が偏った「一芸」系の選手が多かったけど。 それに対して今年は、去年よりバランスが取れているし、戦い方も個人頼みでなく、連携が取れるようになった。 ただし、その分、選手の能力や調子が戦力に正確に反映されるようになったと思う。 だから、控えが出てくると、大崩れはしないものの、戦力は確実に落ちる。 去年までたまにあった突然のバカ勝ちや、何故か分からないけど規郎やルーカスの個人技で勝っちゃったような試合は確実に減るだろう。
話が脱線してばかりだ。 で、後半、赤嶺のファインゴールで先制。 このあたりの時間帯は、かつての磐田戦では信じられないくらいの東京ペース。 だからあと一点取りたかったですね。
平山はどうなんだろう。 まったくボールを持てない訳じゃないけど、かと言って、ボールを受けたあとチャンスを広げられている訳でもない。 貪欲さが伝わってこない割には、味方を生かすプレーをするわけでもなく、持ちすぎて奪われてしまったり。 キャンプの時点では確実に赤嶺、ユースケよりも先行していたのだが。 一昨年東京に来てから思うけど、好不調の波が激しすぎる。 これでは反町でなくとも使いづらい・・・。 けど、平山の体格と能力があれば、たとえ不調でもチームプレーに徹すれば、使いどころがあると思うのだが・・・。
試合はその後放り込み合いの大味な展開に。 攻めの意識と守りの意識がチグハグということだけど、理想を言えば、逐次試合の中で微修正を加え続けられることができればいいのだが、それはなかなか難しいな。
で、ここで出てきたのが名波。 さすがです。 性急に放り込むのではなく、着実にこちらの嫌なところ、次の次(の次)あたりに繋がるところを突いてくる。 急がば回れ。 左足しか使えないし、運動量も少ないのに恐ろしいおっさんだ。 (けど、このおじさんに苦しめられるのも、あと少ししかない、と思うとちょっと寂しかったりして。 川口をいじれるのも、あと何年くらいだろう・・・。) 西の自滅的退場も、むしろ磐田のやる気を引き出してしまった。
そして、名波が左サイドを突いたボールに徳永がわずかに遅れ、ナイスクロスを上げられ、塩田が弾くものの、ボールが流れたファーサイドにいたのは駒野・・・。 なんともな巡りあわせで失点。 あ~ぁ。 けど、冒頭のとおり、リーグ戦でなくて・・・、と思ってしまったのだった。 けど、そんな甘いことじゃいかん。
選手で言えば茂庭はプレスを受けるとすぐ冷静さを失うし、徳永も攻めあがると同じ症状が発症する。 梶山は反対で、ピンチでも悠々とし過ぎて逆の意味で冷や冷やする。 (昨日はあまり問題はなかったけど。) あとは今ちゃんですね。 昨日は対人ディフェンスでほとんどボールを奪えず、ちょっと心配。 久々の栗澤はまずまずらしさは発揮した。 ただ、前半終了間際、左サイドに広大なスペースが広がり、そこを浄か長友が突こうとしていたとき、栗澤がそういうタイプではないことは百も承知のうえで敢えて言うが、そこはスルーパスを出して欲しかった。
次は正真正銘のリーグ戦。 しかも多摩川クラシコ。 やる気満々で参ります。
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コメント
本来目指すべき到達点にくらべればまだまだなんだと思いますが、でも去年に比べれば随分マシになったんじゃないですか?毎試合出てくる課題にチームが取り組んでいるのは感じますしね。他のチームに比べたら積み重ねの部分では足りないところもありますが、チームを作るのに時間が必要なのはどこも一緒です。
今年のチームを見ている感じでは、年間通して最終的にどこまでできるようになるか、というためのひとつひとつのプロセスと、最低限の結果を残すためのリアリズムのバランスはそんなに悪くないと感じます。それでもどこかでもったいない試合が出てくるのは仕方ない。東京はこれからのチームですし、サッカーって案外そんなもんです。
今チームのために必要なのは前向きにいいチームにしようと取り組むポジティブな気持ちなんじゃないかと。今年は結果がどうとかあまり難しく考えずに、一試合一試合チームの成長を見守ってもいいんじゃないかと個人的には思ってます。そう感じさせるだけのものが今年のチームにあると思うのは私だけでしょうか?
投稿: よっち | 2008年4月18日 (金) 21:29
よっち様
ご無沙汰しています。示唆に富むコメントありがとうございます。励みになります。
ただ、こちらの書き方が悪かったために、真意が伝わらなかったかな?と思う部分があります。
その点について、ちょっと長めに書きます。一部反論がありますが、真意をお伝することが趣旨なので、お気を害されなければ幸いです。
>でも去年に比べれば随分マシになったんじゃないですか?
>ひとつひとつのプロセスと・・・リアリズムのバランスは・・・悪くない
まったく同意見です。試合ごとのプランや適応は見事だと思います。私は城福監督を極めて高く評価していますよ。
>それでもどこかでもったいない試合が出てくるのは仕方ない。
これも同意見です。年間を通じて見れば、何試合か取りこぼしがあるのは当然です。
ただ、頭ではそれを分かっていても、一試合一試合の結果に一喜一憂してしまうのも、またサポの悲しい性ではないでしょうか?サポの心の中では、そういう相矛盾する要素が共存しており、チームがどんな状況にあっても、負ければ落ち込むのはごく自然なことだと思います。
>チームを作るのに時間が必要
>東京はこれからのチームですし
私は、「城福サッカー」は既にある程度完成しているのではないか、と思っています。
まだ完全ではなくとも、時間限定であれば、既に全貌は見えている、と思います。
「城福サッカー」は、かつて大木が甲府でやったエリアを絞ってパスを回すサッカーや、石崎が柏でやっている攻守の切り替えの早さとサイドからの切れ込みを特徴とするサッカーのように、特定の形を目指すサッカーではありません。
むしろ、個々の選手がその場その場で自ら状況に応じた最善・最適のプレーを判断・選択することを求めるサッカー(より具体的にはスペースを意識し・利用し続けていくサッカー)であり、試合を通じて見れば、融通無碍なサッカーだと思います。
グアム、都城、小平でのトレーニングを見てきましたが、特定の形やパターンを求めるシーンはほとんどありませんでした。むしろ、「ラブリー」や「電流」などの抽象的な言葉に表れているように、選手が流れ・リズムを読み、その上に乗り、生かすことを求めていました。
だから、今後、城福サッカーが良くなるのは、チーム作りとか、特定のパターンを正確にやることなどではなく、個々の選手達の質の向上にかかっていると思います。選手達がプレーの引き出しを増やしたり、プレッシャーを受けても落ち着いてプレーできるようになれば、おのずと城福サッカーも良くなっていく、言い換えれば、城福サッカーの改善・完成は選手達にかかっていると思います。(神戸戦の時に、この趣旨のことを書きました。)
>今年は結果がどうとかあまり難しく考えずに、一試合一試合チームの成長を見守ってもいいんじゃないかと個人的には思ってます。
まったく同意です。
「苦痛」のコラムを取り上げたのは、東京の状況についてそう思っているからではなく、サポにとって普遍的な問題だと思ったからです。
それは世界のビッグクラブのサポであっても同じではないでしょうか?マンUに逆転負けを食らったときのアーセナルサポは目が泳いでました。
東京には東京の状況があります。大局観を持ちつつ、個々の試合も楽しみ(悲しみ)つつ、充実した日々をすごしていきたいものです。
長くなりましたが、要すれば、チームの現状について、よっちさんと私の考えは、ほぼ一致していると思います。今後もよろしくお願いします。
投稿: fct-fan | 2008年4月19日 (土) 00:55
あ、何か私も回りくどい書き方してしまったかもですね。
すいません。
単に冒頭の部分を読んで、その一喜一憂をもう少し純粋に楽しんでも良いんじゃないのかな~と思っただけなんです。私が言うのも何ですが、今の状況でそこまで心配しなくても大丈夫なんではないかと。どこまで上を目指せるかは分かりませんけどね(苦笑)
そうなんですよね。城福さんのやってるサッカーは戦術に当てはめない分、選手に求めてるものは相当レベルが高いと感じました。つまりのびしろは選手個々の成長なんですが、チームのベクトルからすると、「無難なプレー」しか選択できないままの選手は厳しくなってくるかもしれませんね。最終的にどんなチームになるのか、楽しみでもあり、ちょっとドキドキもしています。
投稿: よっち | 2008年4月19日 (土) 01:59
よっち様
昨晩の私の返信は少々脱線気味でした(汗)。スミマセン。
おっしゃるとおり、選手に求められるものは高いですよね。ただ、東京という地の利もあり、徐々にその下地は築けてきたのかな、と思いました。
今年は本当に楽しみ、ドキドキですね。
投稿: fct-fan | 2008年4月19日 (土) 11:52