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2008年9月20日 (土)

多摩川クラシコに関する個人的な日記

多摩川クラシコ第2戦当日である。 懸念された台風Sinlakuは関東南岸を駆け抜け、夕立ちの懸念はあるものの、嵐の中の試合は回避できそう。

多摩川クラシコに対して、人工的だとか、いきなり第11回だとか、安っぽいだとか否定的な意見がある。 そういう感想も当然あるだろうが、戦いにおいては、名称よりも当人達がどういう姿勢でこの試合に臨んでいるかの方が重要である。

個人的には、川崎戦は負けたくない理由に事欠かない。

サッカーを見始めた頃にもっとも多く通ったのがJ2初年度の等々力。 初めて観た東京の試合が第一回多摩川クラシコ。 初めて観た東京のホームゲームが第三回多摩川クラシコ。

昔はみんなと一緒に馬鹿やってたのに、最近はお高く止まっちゃってとか。 ブーイングしないことを誇るような、自分達の無謬性を信じているところなんて "浦和っぽい" な、とか。

そして嫉妬。 東京が無くした右肩上がり神話を信じることができ、フロントを信じることができるフロンタサポが羨ましいのである。

右肩上がりだとか、フロントの良し悪しだとかは、あくまで相対的なものであり、また、時とともに移り変わるもの、ということは分かっている。 2001年時点では、逆にフロンタサポが東京サポに対して同じ感情を抱いていたかもしれない。 川崎だって社長が変わったり、現場のアイディアマンが移動になったりすれば、将来どう転ぶかは分からない。

そんな中、先週のサカダイかサカマガの後半戦展望で、混戦極まる今シーズンの優勝候補に挙げられていたのが川崎。 仮に今シーズン、川崎がタイトルを取れば、どうなるのであろうか? 常勝チームができてしまうのか、または、天井を打ったことで下降線を辿り始めるのか。

前者はウザいことこの上ない。 東京サポとしても気持ち的に避けたい事態である。

他方、後者も寂しいことである。

右肩上がりが止まるとサポの心が荒む。 過程でサポの入れ替わりが進み、場の共有が難しくなる(場の共有という点で、味スタよりも等々力の方が条件が整ってはいるが)。 たとえ数年後に再び立て直したとしても、表向きのスタンドの雰囲気が変わっていなかったとしても、その頃にはもはや良いことも悪いことも経験し、降格への恐怖と万が一の時の諦観とを備えた"並"のJリーグクラブとサポーターの出来上がりである。 (頭の片隅に残留までの勝ち点を計算しながら応援するのは、応援に徹しきれない自分がもどかしいのである。) そこから再生するには、本当に降格して這い上がる必要がある(柏やかつての川崎自身のように)。 けど、それとて上手くいくとは限らないのである。

(J1復帰後の)川崎には"常勝クラブ"ではなく、もうしばらく"上昇クラブ"のままでいて欲しい。 チームカラーのとおり、「青い」クラブでいて欲しい。 Jリーグの上位にそんなクラブがあってもいいと思う。 (身勝手な思いだが。) そのためにはリーグを制するのはまだまだ早い気がする。

今日は川崎を引き釣り落とす。 他のクラブではなく、共にJ1に昇格し、お互いを横目で見てきた東京が自らの手でその仕事を果たす。 それが多摩川クラシコの重み。

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コメント

東京と川崎は、JFL時代から浅からぬ因縁があるわけですが、その因縁が両クラブのフロントから語られていないのが残念です。荒川さんの「FC東京の挑戦」や、戸塚啓さんの「魂のさけび」に東京と川崎の因縁について語られてます。これらを読めば、「クラシコ」とフロントがプッシュする理由が解ると思います。
あと、「J1のクラブとしてある程度完成した状態」で東スタに居を構えてよかったのかどうか疑問に感じるときがあります。

投稿: しょういち@東京の空の下 | 2008年9月23日 (火) 02:08

しょういち様
コメントありがとうございます。

おしゃるとおり、クラシコに重みを加える努力は続けて欲しいです。
Jリーグ以前の歴史を説明するには、ただ出来事を羅列するだけでなく、背景を咀嚼して、意義を整理した方が説得力を増すと思いますが、そのために時間を費やす余裕がないのかな、という気がします。

投稿: fct fan | 2008年9月24日 (水) 01:08

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