サッカー列島日本 天皇杯 福岡vs水戸、湘南vs松本 10月12日(日)
日曜は福岡で天皇杯3回戦福岡vs水戸を観てきた。
どうして福岡なのか? ひとつの理由は、年末までに飛行機に乗りまくらなければならない個人的な事情があること。 もうひとつのキーワードは平塚。
天皇杯3回戦のほかの試合がみな13時キックオフのところ、平塚の湘南vs松本だけは19時キックオフ。 つまり他の試合とのハシゴ観戦が可能。 で、飛行機を使うことを前提に平塚とハシゴ可能なところを探したら、条件を満たしたのは福岡だけだった。
秋田や佐賀など行ったことのない会場も良かったし、カード的に富山も気になったのだが、スタジアムから空港までの距離、便数などを考えると、福岡の利便性は飛び抜けてる。 小瀬や栃木などは飛行機で行けないので、今回は残念ながら対象外。
行きの飛行機から関門海峡がくっきり見えた。
天神に出てみたもののラーメン屋はどこも大行列。 九州一円から買い物客や観光客が押し寄せて来ているかのよう。
市役所横にあるホークス&アビスパカラーのローソン(写真)でチケットを確保。 (日本サッカー後援会会員は決勝以外無料で入れるとは知らなかった。)
店内ではアビスパやホークスのグッズを売っている。
博多駅に戻り、ラーメン食べたいけど時間がないときにいつも立ち寄る駅地下の一蘭へ。 ま、いつもどおり。
空港駅からスタジアムへは歩いて。
レベルファイブスタジアムになってから東平尾に来るのは初めて。
昇格に無関係なチームどうし。 J2の順位も近く、実力伯仲の戦い。 決して好プレーやチャンスが続出する"いい試合"ではなかったが、泥臭い頑張りは見ていて楽しめた。
アウェイ側ゴール裏にスクリーン?の設置工事中。
福岡は黒部が先発していた。 サポも黒部に結果を出して欲しいと願っていたようだが、点を決めることはできず、後半途中に交代。
ベンチに座る黒部。 (追記:野次ったサポとのいさかいがあったとか? 現地では気がつかなかった。)
大まかに言って、前半は福岡が、後半と延長前半は水戸がペースを握り、最後は混戦という流れだった。
ジャンボ大久保の高さ、途中交代の田中佑昌のスピード、久藤、布部、久永、中払などベテラン勢の機転でチャンスを伺う福岡。 しかし、スペースが生まれ始めるに従って、よりスペースを生かす戦いが出来ていた水戸が盛り返し始めた。
しかし、双方チャンスの一歩手前でプレーが途切れ、なかなかゴールの匂いがしない。 無得点のまま延長突入。
延長前半には相手選手と交錯した水戸のGKがひざを痛め、続行不能に。 この時点で枠を使い切ってなかったのは水戸にとって不幸中の幸いだろう。
そして延長後半。 セットプレー崩れから水戸が連続攻撃で福岡を揺さぶり、ついに先制点を奪う。
水戸はそのまま時間を使いきり、
逃げ切った。 内容はともかく、足を攣る選手も多かった120分間の激闘。
遠くまで来た水戸サポお疲れ様。 福岡のうんまいものを楽しんでください。
私は先を急ぎます。 だって、延長戦に突入したおかげで、帰りの便ギリギリ。
天皇杯だからかシャトルバスが見当たらない。 いや、バスがあっても、満員にならないと発車しないだろうから、結局、走った方が早い。
ということで走る。 レベルファイブスタジアムから空港まで11分。 2年前より速かった(笑)。
なんとか機上の人に。
飛行機を使ったハシゴはこの時以来、2回目。
キックオフ直後に無事平塚に到着。 この段階で顔見知り、見たことだけある方、駐車場に東京のステッカーを貼ったスウィフトなど、東京サポを最低6人確認(笑)。
松本山雅を見るのは去年の地域リーグ決勝大会の予選ラウンド以来2回目。
「湘南J1昇格がんばれ!・・・だから今日は・・・ね(はーと)」
松本から湘南に投げられたメッセージ。 それに対する湘南の回答は・・・?
「山雅Jで待ってる(はーと)でも今日は....ゴメンね」
目撃していた東京サポの方によると、湘南は即興で考えたらしい。 なかなか素敵な返答。
湘南は11年ぶりのJ1復帰。 松本はJFL昇格。 死活的に重要な別のミッションを抱える両チーム。
特に北信越リーグで4位に終わった松本は、この後全国社会人サッカー選手権大会の連日連戦を決勝まで勝ち進んで地域リーグ決勝大会の出場権を獲得し、さらに日本一過酷な大会であるその地域リーグ決勝大会の一次ラウンド、そして決勝ラウンド(@サッカーパークあかんま@石垣島!)を勝ち進まなければならない。 (JFLから何チームJ2に昇格できるかも運命を左右する。)
だから、両チームにとって天皇杯は正直微妙な位置付けだったかもしれない。 けど、どういう化学反応が起こったのか、蓋を開けてみて出来上がっていたのはこの上なく美味しく、危険なほど虜になるような試合だった。
試合開始から仕掛けあい、チャンスを生む両チーム。 昼間、フィニッシュにまで持っていけない試合を眺め続けた目にとって、シュートで終わる展開が何よりもの保養。 湘南がやや押し気味ではあるが、チャンス数ではほぼ互角。 松本大健闘。
先制は湘南。 セットプレーの流れから加藤望からゴール前に繋ぎ、ジャーンが落としたボールを原竜太が決めて湘南が均衡を破る。 このまま天秤は大きく上位カテゴリーのチームに傾くと思ったが・・・。
直後に松本が左サイドを突破し、ボールを前線に運ぶ。 ゴール前でシュートを放ったのは松本の10番にしてかつて湘南のエースだった柿本。 古巣への一撃が決まり、試合は振り出しへ。
PK戦に突入した栃木から湘南新宿ラインで移動してきた東京サポの知り合いとその友達計3人も前半終了間際に到着する姿が見えた。
後半に入り、特に坂本が投入されてから、湘南が前半よりもタメの効いた厚みのある攻撃を展開し、チャンスを生む。 けど、松本も積極的にカウンターを仕掛け、決して試合の流れを明け渡さない。
感心したのは松本のカウンター。 偶然に頼るが如く単純に前に蹴り出すだけでなく、隙あらば繋いで組織的に上がろうとする。 それはチームにきちんとした規律がある証拠であり、また、サボる選手がいたら出来ないこと。
他方、湘南の選手たちも集中していたし、手を抜いてなかったし、決して悪くなかったと思う。 ただ、こういう試合で勢いづくのはやはり挑む立場のチーム。 胸を貸す側はどうしても受身になる。
阿部吉朗が投入され、彼らしいドリブルからチャンスを生む。
しかし、試合を決めることができず、1対1のまま延長突入。
延長戦からは太鼓の使用が禁止され、両ゴール裏とも声と手拍子で応援。 これがさらに緊迫した雰囲気を演出する。 松本のコールリーダーが放った「太鼓禁止なんて関係ない、俺たちには声がある」(だったかな?)みたいな言葉がかっこよかった。 (博多土産の小さなお菓子が彼の口にも渡ったことを、後から知り合いを通じて聞いた。 嬉しかった。)
湘南も松本も、選手もサポも懸命。
湘南が押し込み、松本も隙あらば切り返す。 両チームともに攻めきりながら、お互いに寸前で防ぐ。 劇的な展開の応酬。 観客は興奮へと引き釣り込まれる。
松本ディフェンスはよく踏ん張った。 CBが高めの位置を保ちながら、ロングボールにも決してかぶらずに弾き返し続けた。 それでもやはり押し込まれるが、文字通り身体を投げ出してシュートの雨霰を弾き返し続けた。 壮絶。 そうとしか形容できない松本の守備。
他方、ベテランが揃う湘南ディフェンスも怖いものなしの松本の攻撃を意地で守り続けた。 特にGK金永基の果敢なセービングに松本サポは何度も期待を打ち砕かれた。
そして、120分でも勝負は決せず、PK戦へ・・・。
松本1人失敗、湘南全員成功で迎えた湘南5人目斎藤。 決めれば湘南の勝利。
知り合いの東京サポの指摘だが、最初は全然合ってなかった松本のGKだが、3人目、4人目と進むうちに徐々に合ってきていた。 そしてこの運命の場面でスーパーセーブ。
空気が変わる。
松本の5人目が決めて4対4のイーブン。
もう流れは決した。 湘南石原が失敗し、松本の6人目が決めてアップセット完了。
サッカーってなんて怖くて、凄くて、素晴らしいんだろう!?
全社に向けた決意を叫ぶ柿本と応じる山雅サポ。
松本はきちんと訓練の行き届いたいいチームだと思った。 速攻も遅攻も形を持っていて、疲れてからでもプレーが乱れなかった。 もちろん、この舞台が力を与えた面もあるのだろうけれども。
本当に良いものを見せてもらった。 こういう経験は松本サポにもきっちりと刻み込まれるだろう。 現場にこられなかったサポにも口頭伝聞で伝わって伝説になるだろう。 それがクラブの血となり骨となる。
他のチームも気になるが、全社での松本の成功を願わずにはいられなかった。
いろんな不確定要素が凝縮されて、時々とんでもないことがおきる天皇杯。 本当に不思議で魅力的。
ところで、この日の瓦斯サポだが、自分が知っている限りでも、ここ平塚に加え、三ツ沢、栃木、山形、仙台、福岡に出没している。 三ツ沢、栃木、福岡から平塚までハシゴした人もいるし、仙台で東京の対戦相手を確認した人、山形でユータや前田を見た翌日に函館で北海道サッカーリーグのブロックリーグ決勝大会なる大会を見ている人も。 なんて素敵な人達だろう(笑)。
東京サポ達よ、サッカー列島日本を食い楽しみつくせ!
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コメント
走ったんだ・・
トレーニングの成果?ですね!
投稿: 見る前に跳べ | 2008年10月15日 (水) 15:59
>見る前に跳べ様
トレーニングの成果かもしれません。
あと、自転車乗るようになって、痩せました。
東京マラソンの抽選結果は来月出るようですね。
楽しみです。
投稿: fct fan | 2008年10月15日 (水) 18:50