鹿島と毎週練習試合やりたい FC東京vs鹿島 4月12日(日)
守る疲弊した鹿島。ぎこちないながらも攻め立てる東京。互いに苦を背負った者どうしの戦いは、思いがけず面白い試合になった。
相手が引きこもると空回りすることが多く、攻めて来た方が調子が上がる東京。ムービング・フットボールに取り組んで2年目を迎えても、なお、この"精神的リアクション体質"は色濃く残っている。
そんな東京にとって、かつての姑息なファウルや演技が影を潜め、素直に攻めて来てくれるオリベイラ体制になってからの鹿島は、思う存分ぶつかっていける相手。去年のホーム戦はその最たる試合だろう。まぁ、同じ年のアウェイ戦のように、コテンパンにやられてしまうこともあるが。
日曜も、序盤に2発でガツンと東京の目を覚ますと、その後は、攻め始めた東京と間合いを合わせるかのように脚が止まり、東京のよい部分をしっかり引き出してくれた。そして、勝ち点3はしっかり持って帰って行った。さすが2連覇中のチーム。毎週練習試合をしたら、東京は強くなりそうである。千葉が相手だと双方グダグダになりそう・・・。
東京はこの試合からフォーメーションを昨年の夏〜秋仕様の4-2-3-1(4-3-3)に修正。その真意は分からないが、サイドから押し込むことはできた。特に後半には、両SBが積極的に上がり、ウィングハーフを何度も追い抜いていた。このあたりは去年との違いなのかもしれないが、フォーメーションが功を奏したというより、どちらかと言うと個々の選手のコンディションが良かったことの方が大きいと思った。
両サイド、特に徳永の突破は鹿島をしてほとんど止められなかった。もともと突進力に定評のある徳永だけど、普段は慎重というか、自信なさげというか、斜め後方から相手のチェックを受けただけでドリブルをやめ、バックパスに逃げるような選手。けど、この日の徳永はプレー選択が積極的。目の前の相手をバシバシ抜いていた。あとは、クロスとシュートとオフ・ザ・ボールの動きだけである。
内側でもある程度ボールを繋げた。今野は3月とは見違えるように良かった。プレスのかけ位置がCB起用前よりも高くなり、狙った選手によく食らいついていた。奪った後も、前方に細かいパスを繋げていたし、縦に抜け出す動きもあった。ただ、先制点を許した場面ではシュートが足に当たって、ループ気味にゴールに吸い込まれてしまった。もう少し寄せられたかもしれないけど、全体的にかなり復活してきていて嬉しい、というか安心した。
梶山は、序盤は2列目、試合の中頃はほとんどFWに近い位置、終盤は3列目でプレー。最近の梶山は良さも悪さも極端というか、超絶テクニックで相手を交わし、ボールをキープしたかと思えば、そのボールをあっさりパスミスで明け渡してしまう。ただ、ミドルは惜しかった。もっともっと練習してたくさんミドルを放って欲しい。
と、こんな感じで攻めることが出来た東京だったけど、ゴールは遠い。それはアタッキング・サードでの崩しの意図や連動、チャレンジを欠いているから。(去年もこんなこと言ってたな。)
特に、ストロングポイントであるナオや達也や徳永や長友の突破。その時の周りの動きを整備する必要がある。
内に絞り、ドリブルコースを開く。ゴール前のニアとファーに走りこむ。こぼれ球を狙う。
けど日曜は逆に、サイドに蓋をして、スピードを殺してしまうことが多かった。フォローも大事だけど、それは行き詰まった時で良い。それよりもドリブルコースを作り、中を厚くしたい。むろん、クロスの質の改善は永遠のテーマである…。
で、鹿島。というより大迫。ボールを持った時の怖さ・力強さ・落ち着き、あるいはDFと対峙したときの身のこなしは興梠以上。(ただ、ボールを引き出す動きは興梠の方がクレバーだったが。だから大迫が先、スペースが広が時間帯から興梠を出すのは非常に理に適っていた。)どうする。平山。
ACL帰りの鹿島は序盤に勝負をかけた。そしてそのとおり試合をものにした。どっかで見たような展開。前日、武蔵野陸上競技場で見たJFL版"東京?ダービー"そのまんまである。
バタバタした序盤にポンポン点を取り、あとは町田をいなしながら試合をコントロールした武蔵野。武蔵野と町田のJFL10年分の差。同じくらいの差が鹿島と東京との間にあるのだろうか?
けど、何の当てもならないものだけど、将来性という指標では東京が上回っていると、甘い夢を見たいなぁ。
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コメント
>あとは、クロスとシュートとオフ・ザ・ボールの動きだけである。
ここで笑っちゃいました(笑)
ナオのがいいクロスあげるよ!なんて思う日がくるとは・・・なんて思いながら、試合見てました。
投稿: えり | 2009年4月15日 (水) 12:47
鹿島には『王者』と呼ぶにふさわしい貫禄と落ち着きがありましたね。さすがでした。
私も『将来性』という名の甘い夢にどっぷり浸かりたいです・・
投稿: まぐパパ | 2009年4月15日 (水) 20:22
この試合に関しては、両クラブの年季の差が出たって試合ではなかったと思いますがね
ただただひたすらに、こちらにはゴールを呼び込むメソッドがなかった、の一点に尽きると思います
サイドを突破しても、中央にどんな選手がどのように入って来るのか、どんなクロスを上げるのかが全く整理されていない、これが鹿島にはあったという結果なのだと思われます
テーマとして掲げる、アタッキングサードでの崩しが、いまだ確立されていないのが寂しいですね
投稿: スネーク | 2009年4月15日 (水) 23:40
えり様
はじめまして!
周りの人達から、徳永に厳しい、といつも言われるのですが、彼には本当に期待しているんです。本当ですよ!
まぐパパ様
東京は、遅々として進んでいると思います。4歩進み、3歩後退し、5歩進み、4歩後退し・・・。
個人的に怖いのは、土台自体の崩壊です(サッカー人気、不況、等々・・・)
スネーク様
ゴールへのメソッドがないですね。
アタッキングサードは、各選手が思い思いにアタックする自由が許される場だと思うので、もっと思い切ったプレーをして欲しいです。
他方、セットプレーでは、逆にもっと事前にデザインされたプレーを観たいです。
投稿: fct fan | 2009年4月17日 (金) 00:30