A Tough Reality to Swallow 沈鬱の大勝 FC東京vs柏 10月17日(土)
勝ったのに、4-0の大勝だったのに、嬉しくない。 こんな経験は初めてだ。
今シーズン、幾多の鋭い飛び出しや切り込みを見せ、幾多の躍動的で美しいゴールを決めてきたナオ。 リーグ戦終盤、ナビスコ杯決勝、そして代表でも、幾多の素晴らしいプレーで、東京サポに誇りと喜びを感じさせてくれようとしていた矢先の負傷。 何より、ナオのキャリアにとって、この負傷がどう影響するのか。
横たわりながら顔を覆い、地面を叩くナオ。 そうさせるのは傷の痛みか、不安か、悔しさか。
そんな中、アップされたナオの日記。
とにかく、軽症であってもそうじゃなかったとしても俺はすべてを受け入れる覚悟ができてます。
改めて、この選手をサポートできることを誇りに思うよ!
だからこそ、せめて怪我が軽いことを、少しでも早く後遺症なく復帰できることを、願うばかりです。
試合について。
前半の柏は、東京の最終ラインにはプレスせず、自由にボールを持たせる反面、ボールがセンターラインを越えると、スペースをぴっちり埋めて東京の中盤を複数で囲み、自由なパス回しを許さない。 他方、攻撃では、各選手があたかもポストプレーヤーのようにしっかりボールを収め、不用意なボールロストを避けようとする。 (要は遅い。)
柏は、高橋前監督に代わった後も残っていた「ノブリン臭」(ショートカウンター、攻守の素早い切り替え、鋭い切り込み)がすっかり消え失せていた。 もともと、フランサはともかく、メンバーに恵まれているとは決して言えない柏にとって、ハードワークは武器だった半面、去年も一昨年も連戦が続くと調子が落ちていった。
それに対し、高橋前監督はポゼッションを目指したものの上手くいかず。 (去年までの柏U-18は究極のポゼッションサッカーだったが。) 後を継いだネルシーニョは、まずポイントを作り、それに呼応して動く後ろやサイドの選手に繋げる戦い方。 華麗ではないけど、今のチーム状態や選手の能力で勝ち点を拾うためには現実的な戦い方なのだろう。 試合プランも、フランサも大津もいない中、前半は0-0で凌ぎ、後半にポポのスピードやFKに託そうとしていたのだろう。
こちらによると、ネルシーニョ就任後、9試合で8失点らしい。 他方、同じ9試合で無得点が4試合、1得点が3試合らしいけれど。 そして、見て楽しいという面では、状況が状況だけに仕方ないとは言え、ノブリン時代より大きく劣っているし・・・。 かと言って、ゴール裏がネタに走れる状況・気分でもないだろうし・・・。
前半、エルゴラのプレビューに書かれていた「柏の網」に苦労した東京だったけど、赤嶺やナオの動き出しに連動したロングボールやサイドチェンジからチャンスを生もうとする。 右サイドのナオに梶山からロングパスが通り、角度のないところからGKの頭上を狙ったシュートを放つも、菅野の好セーブに阻まれる。 このあたりのパス回しに拘らないプレー選択は、不調時にはあまり見られない。 ベンチのプランか、各選手の判断か、両方だと思うけど、いずれにしてもチームとしての戦い方が増えていることを喜びたい。 (他方、あれだけ超高精度のロングパスやサイドチェンジを通すのに、シュートが枠を捕らえられない梶山が不思議で仕方ない、と一緒に観戦していた方がおっしゃっていた。 同感。 まぁ、パスとシュートは力の入れ方とか、全然違うものなんだろうけれども、ゴール枠の右上の隅にナオがいるとイメージしたら、意外に入るかも!?)
そして、前半終了間際のロスタイム44分、梶山と羽生の連続縦パスから赤嶺がダイレクトでシュート! 一瞬で柏ゴールを破る。 相手のセットプレーの流れから、中盤が間延びした一瞬を見逃さず、自分達のやり方を実行する。 このあたりは強くなったなぁ、と感じる。
後半、1点のリードを許した柏は前線からプレスを仕掛け、能動的に攻撃を仕掛けようとするけれど、躍動しだしたのはむしろ東京。 生まれたスペースを使ってパスが回り始める。
そして55分、右サイド・椋原の切り込みから、赤嶺がゴールライン際を粘り、ゴールライン上のボールを拾って中を上がっていた羽生へ! これまで、何度もセルフ・ジャッジから痛い失点を喫してきていた東京だったけど、ここでは逆に集中力を維持してゴール。 (むしろ、私の方がCKかとセルフ・ジャッジしてました。 反省。)
44分、55分と来て、次の得点は66分か? と思っていたら、それよりも先の62分に羽生のパスを受けた平山がGKの脇を抜く重いシュート! マークに付いていたDFが触れない位置に出したファースト・トラップが良かったですね。
そして、ナオの前線への駆け上がりに合わせ、羽生がパス! 抜け出してループシュートが決まるも・・・。 試合展開、決め方も完璧な中、そんなすべてを吹き飛ばす悪夢のアクシデント・・・。
ここからは、FWがゴールを量産するしかないだろう。 そして、城福監督も発破をかけていたけど、控えの選手が奮起を!
リーグ戦、ナビスコ杯、ACL、優勝・・・。 目標は何も変わらない。
チームもサポも、ナオが復帰するまでの間にこれだけやれたんだ、と胸を張ってナオを迎え入れたい。
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コメント
俺も昨日はまっすぐスタジアムから帰りました。
白熊が当たったけど何もうれしくなかったです。
正直ナオの今までの苦労を思うと電車の中で泣きそうでした。
たださすがにプロだなと思ったのは、ナオの退場後も取り乱すことなく他のメンバーがきっちり無失点で試合をしめたこと。
FC東京は強いチームです。
そして家に帰ってからナオのブログを見て、あらためて本当にすばらしい選手だと思いました。
月曜にどんな結果が待っていても全力でナオとFC東京をサポートしていこうと決意しました。
残り試合がんばりましょう。
投稿: TSK | 2009年10月18日 (日) 12:11
前半はややロングボールが多かったかな、という印象でした
けれどもアバウトなボールが多く、なかなかマイボールに出来なかったかな、と
石井さんも指摘しておられましたが、ディフェンスラインには、やや不安を感じさせられました
相手の一発裏へのフィードに、オフサイドラインがあいまいで、抜けだされそうなシーンが多発・・・けれども相手はシュート1本だったんですね、助けられました
後半に入ると落ち着いた攻撃を展開できるようになりました
守備もだいぶ安定したでしょうか
羽生をリンクマンとして、またラストパサーとして、楽しい後半でした、ええ、あのシーンまでは
発表によると「前十字靱帯不全損傷」とありますから、なんとなくですが、合点がいった感じです
重いとも、軽いとも表現しづらい診断ですが、他の症例と比較するに、石川なら来年の開幕にも間に合わせることが不可能ではない気がします
ここまで鬼神の如くに闘ってくれた石川直宏、その穴埋めはきっと他の選手が果たしてくれると信じ、末筆とされていただきます
取り留めのない文で失礼しました
投稿: スネーク | 2009年10月19日 (月) 22:53
TSK様
ナオに関しては、理不尽さに納得いきませんでした。
けど、ナオの日記・・・達観と気遣いに頭が下がるばかりです。
くよくよしても早く治るものでもなく、しっかり治療して、また素晴らしいプレーが見たいです。
スネーク様
前半は苦労しましたが、だから先制点が大きいですね。
羽生は本当にバランスを取り、味方が空けたスペースに顔を出すのが上手いですね。
ナオに関しては、早い回復を願うばかりです。
並木
投稿: fct fan | 2009年10月21日 (水) 00:45