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2009年11月 9日 (月)

変わった。結果を除いて。 FC東京vs浦和 11月8日(日)

J1昇格・復帰後の数年間、お得意様だった浦和に、ここ数年、まったく勝てない東京。

  • 埼玉県サッカー協会の酷い運営で危険なほど狭いエリアに押し込まれた2004年天皇杯準々決勝(ケリーのラストゲーム@埼スタ)。
  • 初登場のササが颯爽と先制するも、やはり初登場のポンテにやられた2005年アウェイ戦。
  • 道後温泉で呉越同舟となった2005年天皇杯5回戦(博実とのラストゲーム@松山)。 
  • 久々の浦和戦@駒場だったものの、エスクデロ、酒井の伏兵にやられた2006年ナビスコ杯予選。
  • 今、思い出しても胸糞悪い、東京ゴール裏が最悪な雰囲気となった2006年アウェイ戦。
  • なんとか引き分けに持ち込み、目の前での優勝決定は免れた2006年ホーム戦。
  • 平川に徳永がやられた2007年アウェイ戦。

など。。。

城福監督就任後も流れは変わらず、今年のアウェイ戦では、どっちが去年からパスサッカーに取り組んできたか分からない展開で完敗。

昨日は、そんな潮目が変わる・・・はずの試合だった。

キックオフ後、ペースを掴んだのは東京。 じっくり繋ぎながら、相手の綻びを突こうとする。 けど、決定機を得るには至らない。 当初、様子を伺っていた浦和も徐々にペースアップ。 双方ボールをパスサッカーを披露し合う展開に。

全体として、パスサッカーとして、より小慣れた姿を見せたのは東京。 CBでボールを繋げるので、中盤のパスコースが増え、より厚みのある攻撃を展開できる。 詰まっても後ろに躊躇なく戻せるので、より安定感がある。 そして攻撃のタクトを振るう梶山の存在。 ピッチを大きく使い、相手を拡げたと思ったら、次はショートパスやドリブルで拡げた手前のスペースを突く。

浦和も、サイドに流れた個々の先週の粘りや効果的なワンツーやヒールなどから、それなりにチャンスを作る。

ただ、いずれも決定機を得るには至らない。

後半早々、浦和は守から攻への切り替えを早くし、東京も早めに前線にボールを入れるようになり、さながらショートカウンターを見せ合うような展開に。 にわかに試合が動き始める。

そしてカウンターから右サイドを抜けた原口のセンタリングを受けたエジミウソンに決められて浦和が先制。

試合はなおも落ち着かず、原口が二枚目のイエローで退場。 (その後に梶山もイエロー。 2試合出場停止・・・。)

一人少ない浦和相手に長友を投入し、今野も高い位置に上げて襲い掛かる東京。 ただ、その攻撃は洗練されているとは言いがたく、力任せの感が強かった。

平山はポストを意識しすぎるのか、楔を受けるときに低い位置に下がってきてしまう。 他方、赤嶺は混戦に苦労し、抜け出しても性急で、シュートが枠を捕らえきれない。

長友の意地のプレー、今野やブルーノのシュートも山岸のセーブに遭ってしまう。

ここは、パスサッカーへの素養はともかく、高い位置でキープでき、セットプレーも持っている大竹など効果的だったのではないかと思うが・・・。

最後まで一点が遠く、0-1で敗戦。 まぁ、冷静に考えて、あれだけ優秀なメンバーが割り切って守備に徹し、おまけに山岸までノリノリだったのだから、そんなに簡単に打ち破れる訳は無いと言うべきか。

結果はまたも敗戦だったけど、やはり、昨日、東京と浦和のこれまでの潮目は変わったのだ、と言ってしまっていい気がする。

試合全体を見て、慎重に試合に入ったのは浦和。 カウンターに活路を見出そうとしたのも浦和。 支配率、シュート本数、CK数、チャンス数で浦和を上回った東京。 変わらなかったのは試合結果だけ。

東京が負けた要因にはいろいろあるだろう。 前半の浦和のような多少ギクシャクしつつも繋ごうとするサッカーに対しては、崩そうとするよりも早めに放り込んで隙を突き破ろうとした方が効果的だったかもしれない。 原口退場以降の浦和のように守備に徹した相手にも、やはりじっくり押し込むよりも、相手の一瞬の隙を突くようなプレーの方が可能性があったかもしれない。 あるいは、いずれにせよ昨日の山岸には、もしかしたらノーチャンスだったのかもしれない。 (都築のような見え透いた時間稼ぎをしないのは好印象。)

そもそもパスサッカーが不安定なのは、アーセナルからカマタマーレに至るまで世界共通。 それは、去年以降の東京も、今年の浦和も身を持って体験している。

それでも、効果と安定とを高次元で両立させるために、個々の選手は素養を磨き、指揮官も最適な解を見つけていくしかない。 去年のカボレ右サイドもその試行錯誤の一環だろう。 今年のパスサッカーの実現において、今野とブルーノという足元のシュアなCBコンビは鍵を握る存在だけど、もしかしたらこれもまだ最終的な姿ではなく、もっともっと進んだ解があるのかもしれない。

昨日、潮目の変化は確かに見えた。 しかし、その流れが来年も継続する保証はどこにもない。 再び浦和が盛り返し、昨日見えたものは幻影だったとして片付けられてしまうかもしれない。

そうならないために、(天皇杯では無理なので)来年着実にリベンジを果たすために、東京はより上を目指し、サポもそれを熱く、厳しく、そして楽しく見守っていきたい。 城福監督なら、きっとそれを実現できると信頼している。

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コメント

>都築のような見え透いた時間稼ぎをしないのは好印象

ゴールラインを割ってボールボーイがボールを返す時に、
わざとボールボーイから遠い方に走って時間を稼ぐという小技を見せてましたよ。
同じ事3回位やって最後はバレてイエロー貰ってましたが(笑)

投稿: あお | 2009年11月10日 (火) 01:41

うーむ、だいぶ印象が違いますね
勝てる試合を落とした、という観点からなら、ご意見と近いのですが

浦和には確たる攻撃の形がないように思われました
前、後半通じて怖い場面といえば、あのカウンターからのゴールだけだったと思われます
そんな相手に負けてしまったのかと、暗澹たる気持ちにさせられました
この日の東京は、攻撃の形もはっきりしていたし、守備も失点シーン以外ではよかった
ただ、ボールに対する1歩の寄せが遅い
結局、その寄せの甘さが響いた試合なのだと思われました
その甘さにどうにも合点がいかない、咀嚼できない

惜しかった試合など、この期に及んで求めていません
当方は、結果には納得、内容には落胆でした

投稿: スネーク | 2009年11月11日 (水) 00:31

あお様
コメントありがとうございます。
確かにイエロー貰ってましたね。
けど、昔から都築はムカつきますが、何故か山岸はそれほど。立ち振る舞いでしょうか(笑)。

スネーク様
浦和のは、形というほどではなく、繋ぐといっても、使用するエリアは狭いですし、ダイナミックさは欠いていたと思います。
それでも、繋ぐ志向性はよく見えたと思います。そして、何より個の力があります。
大いにあり得る結果でしたが、逆は更に然り。それをしっかり手繰り寄せて欲しかったです。

投稿: fct fan | 2009年11月12日 (木) 21:04

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