演繹法と帰納法 千葉vsFC東京 4月24日(日)
この試合、先制を許す前後で2つに分けて考えたいと思う。
まず、先制を許すまでの内容をどう見るか。 オーロイ対策はほぼできていた。 ミリガンのロングスローは、まぁ、どうにかしたかったが、仕方ない。
むしろ、比較的優位に試合を進めながら、先制できなかったということ。 まだ、意図どおりのサッカーができていないということだろう。
中断期間中、3月31日に小平での練習を見学した。 (その模様はこちらの15時以降のツイートをご覧ください。)
城福さんの練習は、選手を解き放ち、潜在能力を最大限発揮させるための訓練だった。 それは、試合中、同じシチュエーションは二度となく、あらゆる場面で最適の解は異なり、選手は都度それを判断しなければならない、という思想に基づくものだった。 いわば、演繹法的練習であった。
それに対し、小平で見たものは、ちょうぬ君のレポートでも書かれているとおり、具体的なシチュエーションやテーマを想定した、ディテールにこだわった反復練習だった。 これは、なかなか力を発揮できなかった昨年の反省を踏まえ、プレーの成功率を高めることを狙ったものだろう。 いわば、帰納法的練習。
それを実戦で発揮できるか・成功するかは、確証はないが、継続することで成功率が逓増することは確実だろう。 ただ、それが10%から20%に上がるのか、それとも10.1%にとどまるのかは分からないが。
次に、先制を許した後。 もはや内容以前の問題として、選手達の混乱ぶりは見るも無残だった。 味方のスローインでもポジショニングがぐちゃぐちゃでまともに継続できない。 カウンターのチャンスでもまともにチャンスにならない。 このあたりは完全に選手達の責任だが、ベンチワークも、今野がトップに張るなど、不可解な面も多かった。 挙句、2点目、3点目を失う。 (そして自分は千葉サポを一人大人げなくリムってしまった。 すみません。 今度再フォローします。)
梶山がトップ下というのは、練習試合でキープ力を発揮し、機能していた流れであろう。 また、米本の怪我の後、羽生がそのままのポジションに入ったが、J1時代よりもポゼッションで優位に立つため、2ボランチのうちの一方が前に上がる機会が格段に増え、羽生がボランチでも2列目でもあまり関係なくなったということがあるだろう。 ただ、そういった経緯・理由があったにせよ、両者のポジションは逆の方がよかったな、と思ってしまう。
さて、高松に関しては、甲府との練習試合で見せた経験豊富なプレーには唸った。 自分でキープする力は確かに平山には及ばないものの、早めに味方を使い、打開する。 一人ではタメは作れないが、味方を使いながら、3人目の動きを引き出すことができる。 (その3人目がちゃんと反応していれば、だが。) サイドに流れて、相手に囲まれてもうまく味方に繋いでしまう。 いろんな場面やパターンに応じて、必ずしもベストではなくとも、よりベターなプレーが出来るのは、帰納法的サッカーとの親和性が高いと思う。
最後に米本の怪我。 あまりのことに言葉がない。 とにかく辛いだろうが、ただただ彼のキャリア全体から見て、今の状況は初期の苦難だったと振り返えれるようになって欲しい。
鶴×∞
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コメント
fct fanさんこんにちは。
リムられたジェフサポですw
実は貴blogを拝読するまで全く気が付きませんで、読み進めるうち「え、俺のこと?」とw
2010年は我々もアウェイで苦しみまくりましたので、お気持ちは痛いほどわかりますが、東京の戦力はJ2では脅威ですからね。昇格は間違いないでしょう。
37節では互いに昇格が決まった状態で対戦できるよう、長いシーズン頑張りましょう。
たまに味スタへ遊びに行きますので、気が向いたらまたフォローしてやってくださいw
投稿: speedster | 2011年4月29日 (金) 12:36
speedster様
コメントありがとうございます。早速、フォローしてます(苦笑)。
なんと言うか、東京サポも決してJ2舐めてはいないけど、J2に上がれる戦力はあるはず。。。だけど、試合内容的に自信が持てない。。。
前社長の全勝発言も、それくらいの心構えでやらなきゃまずいという意味だと思っていますが、他サポやメディア関係者どころか、東京サポにも額面どおり捉える向きが多く。。。
と言うように、等身大の自画像を描けていない面があるような気がします。
今後もよろしくお願いいたします。
投稿: fct fan | 2011年5月 5日 (木) 19:37