「事実上」の昇格をたぐり寄せた到達点 FC東京vs水戸 11月12日(土)
最終ラインで回したり、ボランチに当てて戻したりしながら、徐々にサイドを突き、相手ブロックを広げる。 そのままサイドのスペースを突いたり、薄くなった中を運んだりしながらアタッキング・サードに侵入する。
意図はよく見えるし、実際、たびたびチャンスの手前にまでは行くのだが、3人目以降の意図的な動きは希薄。 止まった状態からでも一人で運んでいける草民もいないので、一層、攻撃が綱渡り的なパスが中心となる。
この辺は良くも悪くも城福さんの頃から変わっていない。 城福さんの時代、アタッキング・サードの判断は「チーム戦術」ではなく「個人戦術」(技術を見せろ!)に分類されていた。 今も、大事なのは個々の選手の時々のアドリブ的判断。 広島や柏のような決まり事とは対極の世界。 どっちが良い悪いではない。 こういう進み方もありだとは思う。 ただ、そのための選手の判断力も、「チーム戦術」の上位にあるべきチーム内の共通認識も、もっと積み上げていく必要があると思う。
羽生とか、ルーカスとか、秀人とか、秀才型のサッカー頭の良い選手が増え、梶山や草民のような天才タイプもいる。 谷澤はシュートミスが目に付くのと、やや臆病だけど、動きの質からはサッカー頭の良さを垣間見せることが多い。 今野はCBになって格段の進化を見せ、今年は徳永や椋原の進歩が目覚しい。 そこにナオやセザーの爆発力を組み合わせる。 進むべき方向として、メンバーが固まるのも自然かな、と思う。 また、ノースは今野と見紛うくらい良かった。
両ボランチ梶山と高橋は、同じボランチとは言えないくらい役割を分けている。 もはやフォアリベロと読んでもおかしくないくらいの秀人。 他方、梶山は後ろから前まで凄まじい運動量。 パスを出してどうにかしようとするより、もう一度ワンツーを受けようとしている。 完全にボールの出し手から受け手に変わった。 ゴール前での判断や技術には相当甘さがあるけど、再び発展途上とも言える。 これから伸びるのが楽しみ。
羽生のコメントを読んでも、パス回しがしっくりいっていないようだ。 「個人戦術」への依存度が高いチームでは、必然的に好不調の波が増幅される。 悪いなりに試合運びを合わせるのもサッカー頭の良さ。 この辺でも成長が必要。
また、セザーのようなプレーが異質な飛び道具をどう使いこなすか、この日のゴールシーンのように、裏を狙わせるのがいいが、そのためには相手が引いてスペースが消される前に早めに判断して出す必要がある。 また、本人の裏に抜ける意識が低いのも難しい。
そんないろんなピースを組み合わせてやってきた一年。 ほぼ昇格を確定させた。 優勝も有利となった。 来年、今年の柏や去年のセレッソ、一昨年の広島のように躍進出来る手応えは全然ない。 けど、自立という意味では有意義な一年で、話し合いとか、そういう習慣を通じた伸びも、まだまだ期待している。
そんな姿に見える、昇格を「ほぼ」決定づけた東京。
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