垣間見えた強くなって帰る姿 天皇杯 FC東京vsC大阪 12月29日(木)
西京極での絶望から1年。 草津での屈辱から7ヶ月。 J1復帰・J2優勝から1ヶ月半。 とうとうアジアを見据えるところまでやってきた。 あまりの急激な展開に、正直な感想としては、あっという間にやってきてしまった、という方が正しい。
J1総得点2位のセレッソ大阪との天皇杯準決勝。 浦和戦で見せた前線からのプレスだけでなく、攻撃の有効打数でもセレッソを上回る。 ルーカスがボールを収めナオが絡む。 羽生が切り開いたスペースを谷澤が運ぶ。 両サイドバックもポゼッションへ無理なく関与し、秀人が前後左右にボールを捌き、そして、何より無から有を生み出す梶山。
2、3回の決定機を生み、ビッグチャンスの2、3歩手前の形は何度も作る。 前半30分頃からポジショニングの乱れ等でややセレッソにペースを譲るも、完全に東京優位で進めた前半。
後半、一昨年U-18が三ツ沢で悔しい思いをさせられた杉本健勇から小松塁に交代。 さらに、左右に自在に移動し、素早いドリブルを見せる村田が入るとややセレッソペースに。 センターバックの片割れがモニだけあって、デフォルトポジションがやや引き気味のセレッソ相手だからか、もともとオフサイドの少ない試合だったが、両チームとも前後の距離がさらに長くなる。 さらに、サイドバックが後ろのスペースを埋めるのではなく、中に絞ってプレスするので、サイドのスペースが空く。
そして、ボールを受けた椋原が猛然とサイドラインタッチ際を30~40mドリブルしてボールを運ぶ。 詰まって中に戻すが、その時、相手の最終ラインを十分押し下げていた。 そして、梶山、秀人が余裕を持てるスペースが生まれ、ルーカスに繋ぎ、見事なポストから、フリーで前を向いた谷澤のボレーの一撃!
さらに、唸ったのは途中交代の3人。 特に下田、北斗の投入。 浦和戦の感想とのシンクロはともかく、まさに勝つための手。 最後までこの一点を守り、見事初の決勝進出を決めた!
昨年の平日アウェイ戦@キンチョーは屈辱の大敗。 正直、かなり心が折れた試合だった。 セレッソとて乾がいないなど、2010年と2011年とでは別のチームであり、比較はできないが、球際の強さ、セーフティとチャレンジの判断、集中など、東京の成長を感じたことは確か。
天皇杯決勝。 毎年、他チームの晴れ舞台を観る、半ば他人事の娯楽だった。 それが、東京にとってアジアへの一歩であると同時に、J2総決算ともなる試合となった。 そして、何より、強くなったことを全国の新春のお茶の間に示すための舞台。 京都が強かろうと、勝ち取れ! 絶対勝てる!
追伸:長居スタジアムを出てると尾亦の運転する車が出てきた。 「尾亦!」と声をあげると一瞬止まってくれた。 美しいクロスを必要とするクラブはたくさんあるはずだ。 頑張れ!
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