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2012年1月の2件の記事

2012年1月 4日 (水)

天皇杯優勝、ACL出場、そして・・・ 天皇杯決勝 京都vsFC東京 2012年元日

自宅で年を越し、数時間仮眠した後、開幕戦以来ジャンドロを連れて元旦6時前に代々木門に到着。

初体験の並び、列詰め(2009年ナビスコ杯決勝は引越しでギリギリの到着、2004年はそういう仕組み自体を知らなかった(笑))。 知り合いの方々と挨拶したり、食べ物を交換したり、入場して席を取ったり、女子決勝で新潟を応援したり、けど、試合後はアイナックの挨拶にも現金にエールで反応したり、幸福な元日が過ぎていく。

キックオフ。 あっという間の90分だった。

決勝の東京は、準決勝までと比べても明らかに序盤から飛ばしていた。 イケイケな立ち上がりだったことについて面白かったとか、落ち着きを欠いたとか、プラス・マイナスの評価があるけど、準決勝までの京都の戦いぶりを見れば、また、CB秋本の不在を踏まえれば、早めに京都の裏をどんどん狙うのは当然だったと思う。 また、守備に入った時の京都は意外と粘り強く、対水戸、浦和、セレッソの3試合をいずれも1-0で勝ち上がってきた東京としては先制しておきたかったところ。 実際、ルーカスにボールがよく収まったことも相まって、チャンスやシュートコースがどんどん生まれ、東京ペースで試合が進んでいた。

しかし、先制は京都。 ドゥトラの突破を徳永と今野が詰め、一度は弾いたボールが運悪く中山の前に転がり、権田との1対1を決められた。 早い展開ゆえ、マークに付ききれなかった。 そういう意味で、東京のプランは失敗しかけたが、試合が落ち着く前に同点に追いつけたのが良かった。

CKを今野が頭で合せた同点ゴールは、ちょっと天皇杯・神戸戦での森重の決勝ゴールに似ていたけど、もっと凝っていた。 左CKで、ゴールライン際をキッカーナオに向かって走った羽生がショートコーナーを受けると、もう一度ナオに返し、ナオはCKよりも浅い位置からややファーに向けてクロスを放つ。 GKが飛び出せないボールだったうえ、森重が合わせるふりをしてスルーし、最後に今野。 正直、うちにこんなことが出来るのか、と驚いた。

そして、森重のロングシュートで逆転。 これまでも曲げるFKは何度も決めていたけど、北斗ばりの無回転気味のシュートは初見。 これにも驚いた。 そして、東京はいつの間にか、攻守においてセットプレーが苦手ではなくなっているような。

さらに、ルーカス。 相手ゴールキックを秀人が跳ね返し、反応したルーカスが抜け出し、GKとの1対1を決めた。 ルーカスの冷静さが際立ったが、京都のディフェンスもエアポケットにはまったかのような無防備な状態だった。

京都は密集を作り、相手ボールでは激しいプレスを仕掛け、マイボールでは相手の機先を制するボール運び(ドリブル・パス)でチャンスを伺う。 大木・甲府を見たときの清々しさを思い出した。

他方、その弱点は周知のとおり密集の逆サイドや裏にボールが運ばれた時。 誰か一人が全力でエリアを消し、人に付き、ディレイすることで辛うじて対応していたけど、この3点目、そして、後半の4点目の場面では綺麗に裏を取られていた。

その4点目の場面、東京側から見れば、珍しく最少人数で攻撃を完遂したカウンターだった。 普段の東京は、繋ぐサッカーが持ち味であり、手数が多い。 カウンターになりそうな場面でも、前線や裏に出すより、サイドや後ろに預けることが多い。 よく言えば厚みがある、悪く言えば遅い攻撃。 けど、この場面では本当に早かった。 あと1点で試合がほぼ決まるからそうしたのか、または、京都が相手だからそうしたのか、あるいは、ルーカスの動きがよくて早いパスを引き出したのか、はたまた、特段の意図はなかったのか。

個人的には、京都の弱点を踏まえてそうしたと思っているけど、いずれにせよ、早い攻撃、遅い攻撃を相手や状況に応じて使い分けることは、勝つこと、リーグ戦で安定した結果を残すこと、そして強いチームになるために絶対必要なことだから、4点目のシーンはとても嬉しかった。

J's GOALの馬場さんのレポートにもあるとおり、イケイケなヒロミサッカー、華麗なJFKサッカー、ひたむきなキヨシサッカーのそれぞれのエッセンスが今の東京には備わっていて、無論、まだ足りない部分(未知の部分も含め)もあるんだろうけど、それぞれをきちんと正しく発揮できさえすれば、かなり強いんだと思うことを実感できた決勝戦だった。

ACL出場について。

J2から、いきなり翌年J1とACLを戦うことは、いろいろ不安があるのは否めない。 けど、鉄は熱いうちに打て。 J2終盤~天皇杯を通じ、ある程度やれることは把握できたし、また、J1リーグの経験は十分ある。 上り調子のうちに、対戦相手、遠征、スケジュールなど、ACLの厳しさを経験し、昇華していくことは良いことかもしれない。 無論、リスキーではあるが。

他方、10才を挟む多感な時期をアメリカで過ごした自分にとって、世界と日本というのは人生のテーマで、政治・経済以上に文化面での共通性や相違、接点や交流ということに関心があった。

そして、フットボールクラブのサポーターとしては、自分と世界との距離感を、自分の応援するクラブを通じて感じること、クラブを世界に向けてアピールすることは、自らのアイデンティティ・欲求そのものと言ってもいいかもしれない。

過去にこんなエントリも書いたし、FCソウルとの交流戦への思い入れも深かった。 2006年2007年、2008年()。

ブリスベン、北京、蔚山。 全部行きたいけど、社会人は皆なかなか厳しいだろう。 出来る範囲で何とか・・・。

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2012年1月 1日 (日)

垣間見えた強くなって帰る姿 天皇杯 FC東京vsC大阪 12月29日(木)

西京極での絶望から1年。 草津での屈辱から7ヶ月。 J1復帰・J2優勝から1ヶ月半。 とうとうアジアを見据えるところまでやってきた。 あまりの急激な展開に、正直な感想としては、あっという間にやってきてしまった、という方が正しい。

J1総得点2位のセレッソ大阪との天皇杯準決勝。 浦和戦で見せた前線からのプレスだけでなく、攻撃の有効打数でもセレッソを上回る。 ルーカスがボールを収めナオが絡む。 羽生が切り開いたスペースを谷澤が運ぶ。 両サイドバックもポゼッションへ無理なく関与し、秀人が前後左右にボールを捌き、そして、何より無から有を生み出す梶山。

2、3回の決定機を生み、ビッグチャンスの2、3歩手前の形は何度も作る。 前半30分頃からポジショニングの乱れ等でややセレッソにペースを譲るも、完全に東京優位で進めた前半。

後半、一昨年U-18が三ツ沢で悔しい思いをさせられた杉本健勇から小松塁に交代。 さらに、左右に自在に移動し、素早いドリブルを見せる村田が入るとややセレッソペースに。 センターバックの片割れがモニだけあって、デフォルトポジションがやや引き気味のセレッソ相手だからか、もともとオフサイドの少ない試合だったが、両チームとも前後の距離がさらに長くなる。 さらに、サイドバックが後ろのスペースを埋めるのではなく、中に絞ってプレスするので、サイドのスペースが空く。

そして、ボールを受けた椋原が猛然とサイドラインタッチ際を30~40mドリブルしてボールを運ぶ。 詰まって中に戻すが、その時、相手の最終ラインを十分押し下げていた。 そして、梶山、秀人が余裕を持てるスペースが生まれ、ルーカスに繋ぎ、見事なポストから、フリーで前を向いた谷澤のボレーの一撃!

さらに、唸ったのは途中交代の3人。 特に下田、北斗の投入。 浦和戦の感想とのシンクロはともかく、まさに勝つための手。 最後までこの一点を守り、見事初の決勝進出を決めた!

昨年の平日アウェイ戦@キンチョーは屈辱の大敗。 正直、かなり心が折れた試合だった。 セレッソとて乾がいないなど、2010年と2011年とでは別のチームであり、比較はできないが、球際の強さ、セーフティとチャレンジの判断、集中など、東京の成長を感じたことは確か。

天皇杯決勝。 毎年、他チームの晴れ舞台を観る、半ば他人事の娯楽だった。 それが、東京にとってアジアへの一歩であると同時に、J2総決算ともなる試合となった。 そして、何より、強くなったことを全国の新春のお茶の間に示すための舞台。 京都が強かろうと、勝ち取れ! 絶対勝てる!

追伸:長居スタジアムを出てると尾亦の運転する車が出てきた。 「尾亦!」と声をあげると一瞬止まってくれた。 美しいクロスを必要とするクラブはたくさんあるはずだ。 頑張れ!

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