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2012年3月19日 (月)

心からバモストーキョー FC東京vs名古屋 3月17日(土)

序盤、名古屋の激しいプレスに遭う。 パスコースを限定され、特にアーリアの弱い横パスは何度もかっさわれた。 

ただ、名古屋のプレスは15分くらいしかもたなかったのに、緩んでからもビビッたかのようなプレーに終始してしまった東京。 確かに相手をリスペクトし過ぎていたかもしれない。

名古屋のディフェンスは、ブロックを作って囲んだり、前から摘むというより、ひたすら最終ラインの壁で跳ね返す感じ。 ゼロックス柏戦や、大宮戦と比べても、ワントップ・ルーカスを割と自由にさせてくれて、特に低い位置ではフリーになれて、ボールが収まる。 けど、そこからが問題。 前を向いて切り込んでも、サイドからボールを上げても、スルーパスを試みても、CKでショートコーナーを試みても、とにかく跳ね返され続けた。

むしろ、早めに最終ラインに当てて、跳ね返りのセカンドを狙うとか、スリートップ気味の名古屋はボランチの横に穴が空くから、そこで起点を作って、もっとSBをおびき出す、というような工夫があればよかったのだが、相手のストロングポイントである最終ラインに対し、素直にやろうとし過ぎていたように思う。

名古屋の攻撃は、ウィングが引っ張って作った手前のスペースでしっかり組み立てたり、裏への飛び出しがあったり、無論、ケネディの高さもあったり、効果的で多用な攻撃を繰り広げていた。 失点シーンも、ケネディが受け手ではなく出し手として機能し、権田も玉田に対してうまい距離の縮め方だったけど、玉田がさらに冷静だった。

このあたりの、決して華麗ではないけどしたたかな感じは、かつての鹿島のよう。 スーパーハードワークを求めるピクシーイズムの更なる浸透を感じさせる。 (闘莉王の存在も大きいかな。)

もし、後半の出だしも、再び名古屋が激しいプレスをかけていたら、東京の機能はずっと麻痺したままだったかもしれない。 けど、高齢化も感じさせる名古屋。 どんどん緩くなっていく相手に対し、HTにポポにカツを入れられた東京は、前半から続けていた試行錯誤を繰り返し、徐々にリズムを掴んでいく。

そして、太田のカズばりのまたぎから隼磨?のマークを一瞬ずらし、闘莉王をおびき寄せるととアーリアに戻し、アーリアはすぐに前線の羽生へ。 羽生のシュートは弾かれるが、フリーのナオがゴール! 太田のまたぎがなければ闘莉王は最終ラインに残ったままで、もしかしたら羽生はシュートを打てず、ナオもフリーになれなかったかもしれない。 能力の高いCBを要するチームを攻略するヒントがあるような気がする。 今野とか。

唸ったのは2点目。 まず、ナオが羽生に出し、すぐナオに戻すと(オフサイドにならなくて良かった)、ナオは秀人へ。 羽生に一旦出し、もう一度ナオに戻したことで、ショートコーナーに備えていた名古屋の選手は羽生→ナオに引きつけられ、秀人はノープレッシャーでファーサイドへ。 そこにいた加賀はオフサイドラインを意識しつつ、ボールをヘッドで折り返し、加賀の方向を見ていたケネディ、増川の死角から斜めに走り込んだアーリアが頭でボールをすっとずらしてゴール! 虚しく加賀のオフサイドを一人だけとりあえず主張する闘莉王・・・。

CKと言えば、かつてケネディが囮になって吉田麻也に決められたり、テセだか寺田だかが戻したボールを谷口に決められたりとか、やられたイメージばかりなのだが、この2点目はそれらよりも美しい芸術品だった。 しかも、増川、ケネディ、闘莉王を避けるという実質も伴った。 完成度という意味では、個人的にここ数年でベストゴールだったかもしれない。 また、CKを獲得する前の、梶山の3人を交わしながらのドリブルも凄かった。

梶山と言えば、3点目。 ルーカスが相手と競り合いながら梶山に出すと、目線とは逆のナオへ。 ナオも、ボールを相手よりも先に呼び込みつつ、シュートコースも確保する絶妙のコースを走り込み、正剛の股抜きゴール。 これも美しかった。

問題のレッドカードのシーン。 スカパーの映像では、ダニルソンのプレーは大したファウルには見えないけど、Youtubeにあがったバックから撮った映像を見ると、体当たりのようで、若干肘が出ているようにも見える。 そして、倒れた宏介を間髪入れず起こそうたしたのが、なんでわざわざというか、審判の注目を集めずにはいられない動作で、そういう一連が相まって、審判が思わず赤を出しちゃったのかな、と思う。 いずれにせよ、審判の問題。 選手で問題だったのはダニルソンよりも闘莉王で、秀人に手を出したのは自分がいた位置からも見えたけど、映像にも喉輪をしているのがはっきり映っていた。 秀人が倒れたのも闘莉王が倒した?ようにも見えるけど、確実なことは分からない。

まぁ、名古屋FKから東京の選手が10m離れずにリスタートしてボールを奪われたりとか、名古屋にとっても主審はイライラの元凶だったのだろうけど、問題は主審であって、東京に矛先を向けるのは逆恨みもいいところ。

とにかく、個人的にも優勝候補一番手と思っていた名古屋に、相手が直志、小川、藤本等抜きとは言え、または苦しみつつとは言え、勝てたのは、自信になるし、J1全体にインパクトを与えたと思う。 今後は勢いだけでない戦いが必要で、この日も谷澤を休ませたり、ヨネ、相太や、この日ベンチ入りしていない選手たちの力も必要となってくるだろう。

最後にヨネ、そして相太。 この二人を出すことで絶対負けられない試合になった。 まず、1点差に追い上げられた中で、サラっとこのカードを切れるポポに舌を巻いた。 (城福さんのナビ杯浅利ベンチ外に匹敵するくらいのカードかもしれないと思った。 劇薬度は低いかもしれないけど。)

そして、なにより長く辛いリハビリを経て帰ってきたこと。 今後、絶対必要な二人。 特に、いろいろなことを経てピッチに立ったヨネの涙には、同じく去年父親を亡くしている身としては、もらい泣きせずにはいられなかった。 よくサッカーに、そして東京に残ってくれた。

バモストーキョー。

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