残暑の天皇杯 FC東京vs駒澤大学 9月5日(日)
普段から練習相手の大学チームには事欠かない東京にとって、大学との対戦自体は珍しいものではない。 ついでに言えば、大勝することもあれば、大苦戦することもある。
この日も、どことなくぎこちなく受け身な東京Bチームに対し、動けるうちにリードしておきたいであろう駒澤大学が鋭く突っかけ、多くのCKを得、シュートを浴びせる。 やきもきする声も漏れる前半のスタンドだが、プロ・アマの「あるべき論」は別として、実力や実績的には、別に圧倒できなくても、さほど驚くことではない。
古い駒澤のイメージで、もっと高くてフィジカルなサッカーをやるのかと思っていたら、意外と小柄の選手が多く、前線とフォローがうまく絡むサッカーをやっていた。 ただ、勢いはあるけど、怖さはない。
東京では、平出(さん)や、秀人、ボランチ松下など、決して悪くはないが、レギュラー争いに割って入るほどのインパクトもないか、という感じ。
重松も相手の激しいぶつかりにめげず、何度も反転シュートを放ち、鋭いFKも放って頑張っていたけど、他方、ドリブルやパスはもっとやれるし、実際やっていただろう、と思う。
達也も、動きのキレは良いし、形がはまれば実力を発揮できると思うのだが、そこまで行く前にドリブルが迷走気味。
その中で、個人的に目を惹かれたのは草民。 弱いパスを奪われるなど、細かいミスはいくつかあったけど、軽いフェイントを入れ、ドリブルで相手に突っかけて行く姿勢が良い。
フェイントもドリブルも、それ自体は大したプレーではない。 けど、最初から相手を抜く意識だから、動きに淀みが無く、それだけでドリブルコースを作り、ボールと共に前進する。 たとえ、相手を抜ききれなくても、少しでも有利な状況で次のパスを出せる。 その繰り返しが、相手を押し下げ、より良い形を作り、チャンスとなる。 もちろん、横パスがいつも悪いわけではなく、空いたスペースを突いたり、相手を揺さぶるのは良い。 が、最近の東京は前に相手が一人でもいると、いつも横に出すばかりで、なかなか相手のブロックや急所に切り込んでいかない(セレッソ戦後に家長にもずばり言われていた)シーンが目立ったので、草民のプレーにウキウキした。 個人的に物足りなかった部分を草民が持っていたのは嬉しい発見だった。
さて、後半。 2列目・大竹と左SB・平出に代わり、羽生と徳永が入り、松下がSBに。 特に、羽生のスペースを埋める動き、味方をカバーする動き、セカンドを狙う動きが素晴らしく、攻撃に一本芯が入ったかのようになる。
そして、平山が削られて得たFKを松下が直接決めて先制。 良かった良かった。 さらに、右サイドで徳永、椋原が絡んだ後のボールを拾った羽生が鋭いアーリー。 それを走りこむ平山が合わせ、2-0。 守備も塩田、モリゲ、秀人が踏ん張って完封。
次のギラヴァンツ北九州戦@何故か前橋に駒を進める。
天皇杯の楽しみのひとつは、普段と違うメンバー(と書いちゃうと、ベストメンバー規定的にマズイ?)や、J2、JFL、地域リーグなど、普段と違う相手との対戦が観られること。
ただ、去年からJチームも2回戦からすることとなり、加えて今年は過密カレンダー。 あまりの過密日程ゆえ、都道府県代表が出揃ったのはつい前週。 プログラムに都道府県代表の記載はなく、1回戦はつい二日前に実施。 対戦相手の駒澤大学は中二日での試合を余儀なくされたが、仮に一回戦でヴェルディユース が駒澤大学に勝っていれば、金曜夜西が丘で天皇杯一回戦、土曜午後は札幌・厚別で高円宮杯第一次ラウンド、日曜夜は味スタで試合、と数千キロのサッカーの旅になったそうだ。
さらに言えば、二回戦で俗に言うジャイアントキリング、アップセットはほとんど起こらず、真夏の暑さの9月で、天皇杯を勝ち残っているのは早くもほとんどJクラブという、決して悪いことではないが、何の面白みもない状況に。 こういう無味乾燥な展開を前会長は望んでいたんでしょうかね?
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