カテゴリー「FC東京2013」の1件の記事

2013年3月15日 (金)

久しぶりの更新 FC東京vs柏 2013年3月9日(土)

11ヶ月ぶりの更新なので、まず、簡単に昨年を振り返ってみる。

去年は、序盤こそそこそこいい攻撃が見られたけど、初夏から終盤にかけて、ボールは回せるけど前に進まないとか、シュートは多いけど得点に結びつかないとか、ポゼッションが手段じゃなく目的になっちゃってるとか、もどかしい展開が続いた。
その要因すべてを書ききることは出来ないけど、怪我人等で適材適所を置けなかったことが大きかったと思う。 象徴的だったのが太田。 代わりの椋原は右の選手で、左足でクロスを上げられない。 内に切れ込んで右足シュートかショートパスしかない選手を左SBに置かざるを得ないのはやはり歪だった。 そんなこと本人も百も承知で、アウェイ浦和戦の1点目を生んだようにゴール前に詰めるとか、彼独自の方法で生き延びようとしたけど、左SBとして必要な部分までは埋められなかった。
ポポの起用も一部よくわからなかった。 1、2試合くらいなら、うまく行こうが行くまいが、監督の裁量である起用法にケチを付けるつもりはないけど、何試合もとなると、ひとこと言いたくなる。 個人的にどうかと思った最たるものがルーカスのワントップ。 無論、素晴らしい選手なのだが、電柱ではないし、ストライカーでもない。 そんな彼が相手のDFとMFに挟まれながら楔を受け、収め、前を向き直してドリブル、展開、シュートとあまりに多くのことをやろうとし、負担が重すぎた。 (対照的に、本職の千真は、ボール受ける前にフリーになるのが上手いし、楔でボールを収めるのでなく、ワンタッチで戻して動いてゴール前で受け直すとか、FWらしい動き。) ルーカスが二列目の選手であることは、ガンバ時代を振り返るまでもなく、去年の最終盤、そして今年1節、2節の活躍を見れば分かる。 SBと1対1ならかなり無双。 あとアーリア。 ボランチでは守備にも運動量にも粘りにも難があったけど、二列目では攻撃センスを活かせている。
選手起用以外でも、アウェイ横浜戦やホーム鹿島や清水戦。 さらにホーム新潟戦や大宮戦など、サッカーの良し悪し以前の試合に向かう姿勢を疑問に感じる試合もあった。 逆に言えば、あれだけ無駄に勝点を落とし続けたのに、一応残留争いとは無縁の中位に付けることができたのは、ベースを積み上げてきたから。 かつては、自分たちの調子が良くても力負けすることが少なからずあったけど、様々な経験・蓄積を経て、今は勝ちも負けが自分たち次第のところまで来た。 そういう観点で、去年明らかな差を感じた相手は柏・浦和くらいだけど、その差も僅かだった。 (アウェイ鹿島戦は対策しなかったこちらの自滅。)
で、柏戦。
大分戦もだけど、去年からの改善を感じたのは急ぐとき・急がないときのメリハリ。 去年はカウンターチャンスでも、相手の帰陣を待ってからよっこらせと攻めるように感じることが多かったけど、ここ2戦は相手の隙を突く(=相手ゴールに早く迫る)攻撃が増えている。 エルゴラでは、去年柏にされたことをやり返したという文脈で書かれていたけど、ポゼッション率が高かった大分戦も、ボール奪取からシュートまでの時間が短い攻撃は増えていたような気がする。(検証してしません。)
城福さんになった頃、特定の形ではなく、その場その場で最善の判断をする、そのためのテクニックを見せるという目標があったけど、この試合では。それをチームレベルでより実利的な形で実現出来ていたと思う。
千真の1点目は、ヨネのフィードが千真の動き出しとぴったりシンクロ。 コマ送りで確認したけど、オフサイドはない。 そして千真のシュート。 躊躇なく撃ったのが良かった。 誰とは言わないが、GKを交わしてからシュートしようなんてしてたら、鈴木大輔に追いつかれて潰されていたと思う。 さすが生粋のFW。
上記で書いた去年の起用との関連で言えばルーカス、アーリアとも良かった。 ルーカスをマークした増嶋は早々にイエロー。 後半から右サイドに移動したら、ルーカスもしばらく左に移動して付いていったのには笑った。 ロングボールを収めるのに、CFでは相手のプレッシャーが厳しいけど、サイドならかなり無双。 落下点直下の位置を取って、ボール落ちてくる瞬間キュッと足を引いてボール収める動きが秀逸。
アーリアも面白い。 大柄で、スタライドも大きいのに、狭いエリアでのドリブルで小回りが効く。 3点目も、内側に東が、外側に太田が、スペースを作るかつての羽生的な動きで走り込んで、増嶋のポジションが中途半端になり、アーリアの前が開いた。
ボールの出処はボランチ中心。 かつて、今野・ブルーノのCBの頃は、ボランチ、CBどこからでもボールが出てくるのがポゼッションの安定につながっていたけど、今はヨネ、秀人コンビが奪って捌いて走り込んでとかなり凄い。 去年に比べると両CBも守備に専念できてかなり楽なのではないか。 特にモリゲは去年、試合だけでなくプロモーション的な面でもチームの顔を一身に担っていたけど、今は権田、秀人、東、千真、そしてただなりと分散して、守備に専念できている。 パフォーマンスを維持していれば、もしかすると代表・・・?

| | コメント (0) | トラックバック (0)