カテゴリー「FC東京2012」の8件の記事

2012年4月 8日 (日)

真のアウェイ ACL 北京国安vsFC東京 4月4日(水) (TV観戦)

天皇杯チャンピオンとして臨む試合であり、アジアチャンピオン・クラブワールドカップへの道であり、一チームとしての真剣勝負であり、国を代表する戦いでもある。 それも単なる二国間ではない、日本と中国という二国の、しかも首都のクラブどうしの試合。

そして、これほどアウェイを感じさせる試合は、世界でも稀なんじゃないかなと思う。 プレミアでもUCLでも、ビッグクラブのビッグゲームになるほど観光客やセレブ観戦者が多いし。 南米とかならあるかな。

とにもかくにも、そんな大きな試合だったけど、新年度早々ということもあり、あいにく現地観戦はかなわず、TV観戦。

序盤、北京ペースが落ち着いたかな?と思ったところで、いきなり加賀の負傷。 交錯プレーによるものではなかったけど、厳しい試合を予感させる。

そして、秀人のPK献上。 相手のシミュレーションだったけど、手を伸ばしてしまった以上、言い訳はできない。 0-1。 秀人は、広島戦に引き続きややフワフワしていたな。

その後も、トップに収まって振り向きざまのシュートを許すなど、北京ペースで試合が続く。 東京も、らしいパス回しを時々見せるものの、決定機はなかなか作れなかった。

けど、前半終了間際、右サイドの混戦の中を繋いだあと、ナオがスペースの空いた中に切れ込み、走り込んだアーリアがダイレクトで決めて同点! いい時間帯だったし、慌てずしぶとく点を取れたのは去年の成果の証しだと思う。

イメージ通りそれなりに荒かった北京国安。 あからさまに脛を蹴ったり、足裏を見せたり、アフターで来るシーンもあった。 (特に6番はいやらしかったな。) ただし、荒いだけでない正当な厳しさもあって、終盤の押されている時間帯など、1対1、セカンドへの寄せなど、後手を踏んでいた。 いずれにせよ、乗り越えなければならない壁。

収穫は、蔚山も分けて得失点差でグループ1位を確保したこと、ヒョンスの目処が十分立ったこと。 そして、何より、こういう大きな国際試合に参加したことそのもの。

チームの歴史は新たな段階に達した。

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2012年4月 4日 (水)

いろんな意味で淡々と・・・ FC東京vs広島 3月31日(土)

苦手広島にまた負けてしまった。 (そう言えば、大宮、神戸は相性いいし、名古屋も悪くないな。)

広島は、監督が変わって、狙いがさらに明確になったというか、寿人というストロングポイントを研ぎ澄ませ、前面に押し出していた。 試合中も、それをいつどのように見せるのか、ある意味淡々と狙っていて、それ以外は守備に徹していた。 そして、ダイアゴナルな動きや、攻撃の厚さ・多彩さは意外なほど薄くなっていた。 点を取るために無駄な装飾は不要とばかりに、綺麗さっぱり切り捨てたかのように・・・。 結局、これしかやられようのない形を抑えきれなかったのが残念。

梶山、アーリアが不在で、草民がボランチで先発90分出場。 足技など、J1相手でも通用することはこの試合も証明したけど、具体的にチャンスに繋がるプレーという面で、確実性を上げつつ、もっと自分の色も出せたんじゃないかな、と思う。 草民の凄いところは、スペースがあってもなくても関係なく同じようにプレーできることだから、もっと相手のプレッシャーを受ける高い位置に顔を出す回数が多くてよかったし、禁断のドリブルも見せても良かったと思う。

秀人も悪くなかった。 ただ、欲を言えば、もっと確実性に比重を置いたプレーで良かったと思う。 まだまだ若いけど、先発11人を見渡して、また、草民とコンビを組んだボランチとして、秀人に求められたのは、ミスをしないことであり、敢えて言えば、周りが引き立つよう、自分を殺してでもある意味淡々とプレーすることだった気がする。 もはや、個々のプレーの善し悪しや成功・通用したかどうかに一喜一憂する段階を過ぎ、主力として、結果で評価される立場になったということ。 これは凄いことであり、厳しいことでもあると思うけど、自覚してやって欲しいと思う。

全体として、ポポもいろいろ工夫や打開をしようとしていたんだと思う。 ただ、メンバー構成の違いなどもあってか、それがあまりピッチに反映されず、見ている側にもあまり伝わらず、ある意味淡々と90分間過ぎてしまった。 ワンタッチ・ツータッチサッカーにも、もっと改善の余地がたくさんあることは承知している。 これはこれでもっと突き詰めていく必要があるとは思う。 ただ、結果を求めるという面では、場面や状況によってはキープすることも含め、打開が求められているのかもしれない。

平山も帰ってきた。 次はもっと長く。 北京で輝け。

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2012年3月25日 (日)

カウンター東京! 神戸vsFC東京 3月24日(土) (TV観戦)

ポゼッションを貫くのも、相手に攻撃の機会を与えないという意味でリスク・マネジメントであれば、最小限のタッチと人数で素早くゴールを陥れるカウンターも、リスク・マネジメント。 しかし、一番のリスク・マネジメントは、複数のリスク・マネジメントを状況に応じて、使い分けられること。

神戸の出足の前に、したいサッカーがなかなかできなかったけど、そんな試合でもカウンターチャンスは必ず生まれる。 その時に、きっちり速く攻め切れることの大事さを示した試合だった。

去年の東京は、J2ということで、ある程度意図的だったかもしれないけど、カウンターチャンスでも、すぐに相手を突くより、繋ぎ尽くす戦い方だった。

今年のキャンプでは、ワンタッチ、ツータッチでの繋ぎを求められた。 短い準備期間でやりたいサッカーを選手に刷り込むには、そういうやり方が有効だったのだろう。

また、城福以来のパスサッカーの下地があったので、スムーズに移行できたのも間違いない。 (2006年は、前年までとのギャップが大き過ぎた。)

さらに、補強も含め、いろいろな要素や意図が相まって、今のところうまく行っている東京。 けど、疲労や怪我人に苦しむ時期も来るはず。 次節はアーリアが出停、そして梶山もどうか分からない。 どの選手が新たに起用されたり、ベンチ入するのか。 残留、そして上位進出に向けて楽しみ。

先制点は、逆サイドを見ていたルーカスの正確なセンタリングや、角度のないところをピンポイントでゴールに入れたナオは凄かった。 また、梶山のルーカスへのボールも絶妙だった。 ナオから受けたボールを、早く入れすぎたら、ルーカスのセンタリングに角度が付いてGKに取られたか、ゴールラインを割っていただろう。 横に出したら、相手DFに当たってしまっていただろう。 持ち直していたら、相手DFに詰められていただろう。 絶妙のタメで、ルーカスが蹴りやすいところに出した。

しかし、TV観戦は本当にドキドキする。 遠征が減る見込みの今年、少しは慣れるだろうか。

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2012年3月21日 (水)

実戦は最良の訓練 ACL FC東京vs蔚山現代 3月20日(祝)

ブログのカテゴリーに「ACL, FC東京」を並べる。 世界の舞台での真剣勝負を実感できる喜び。 レベルや規模の違いはあったとしても、世界一への挑戦権を得られるという意味ではUEFAチャンピオンズリーグと同等の戦い。 その場に東京がいる。 サポ冥利に尽きる。 (なお、ブリスベン行ってました。 記事アップしておらず、すみません。m(_ _)m 神戸戦の前にはなんとか・・・。)

相手はKリーグでも好調の蔚山現代。 先週末は、名古屋がACLで2-2の引き分けだった城南一和を3-0で一蹴している。 Kリーグ勢と言えば、幾多のJ強豪が全勢力を傾けて戦い、それでも苦杯を飲まされてきたことの多かった相手。 昨日も、一対一での対応、プレス、動き直しの質など、さすがな戦いぶりだった。 (特にイ・グノはさすが。) そんな相手と2-2で引き分けられたのは自信を持っていいし、誇れることだと思う。

けど、目指す高みに限りはない。 失点シーン、いい形を作りかけながら決定機までに至らなかったシーン。 反省材料はいくつでもある。

失点シーンはいずれも裏に抜け出されてしまった。 名古屋戦で玉田に抜け出されてやられた1点目も似ている。
蔚山は、前半から時々裏を狙っていたけど、後半長身の9番をマラニョンと交代してからその傾向が強まった。 それに対し、どう対応するのか。

出し手へのプレッシャー、オフサイド・トラップ(ラインコントロール)の意思疎通、落下点への入り方、裏のケア、GKが飛び出して処理すべきかどうか。 それらを瞬時に判断し、対応しなければならない。 2点目なんかは、打たれてしまったら防ぎきれないから、マラニョンに持たれる前に、または後ろからフィードが出る前にどうにかできなかったか。

大宮戦後、「去年までと今年。 同じポゼッション・パスサッカー志向とは言え、縦への速さという点では対照的と言ってもいい。 どちらが良いということではなく、今の方が、相手が薄い・準備が整っていないところを突く分、決定機は増えるだろう。 他方、失敗の可能性も増え、ラインの高さもあいまって、逆襲を食らう場面も増えるだろう。 今後、その特徴がより出てくると思う。」 と書いたけど、今のところ、良くも悪くも予測通りとなっている。

ポポに名指しで指摘されたモリゲだが、試合終盤(失点シーン)のラインコントロールミスが目立つが、個人的に問題だと思っているのが、去年からたびたび書いているけど、20-30mくらいの中距離パス(フィード)の質。 足元は抜群だし、ショートパスもFKもいい。 長距離なサイドチェンジなどもほれぼれするものを見せる。 けど、パスの的(まと)となるスペースがあまり広くない時の成功率は必ずしも高くなく、相手に渡してしまい、逆襲の起点となってしまうことも少なくない。 周りのフリーになる動きや、スペースに入るタイミング等の質もあるけど、より確実なパスの選択や、周りの活かし方の改善が必要だろう。

米本はまだ試合慣れしていない感じでミスもあったけど、それでも相手への寄せや食いつきなどに片鱗を見せた。 また、ヨネが入ることで、2列目だけでなく、ボランチでもローテーションが成り立つ。 今後が楽しみ。

得点シーンは、徳永の思いっきりも、崩しの繋ぎ・梶山のシュートも素晴らしかった。

その梶山は好調を維持。 梶山の前目での起用というのは、かつて博実も、城福さんもトライし、けど、必ずしもうまくいかず、定着には至らなかった。 ここに来てうまくはまっているのは、無論、梶山自身の頑張りや工夫もあるだろうけど、全体のテンポアップと関係があると思う。 つまり、早めに前にボールが渡るので、相手が寄せる前にボールを保持でき、相手選手との距離感やプレッシャーなどが、かつてボランチでプレーしていた頃と似ているのではないだろうか。 高い位置での崩しのディテールがますます大事になる中、そこの部分を梶山が担えるのは、チームにとってとても意味のあることだと思うし、梶山自身にとっても、単に上手いだけでない危険な選手になるため、代表を視野に入れるため、そして海外を見据えて、とても大事なこと。

ということで勝ちきれなかったけど、アジアで公式戦を闘う経験自体がかけがえのない貴重なもの。 加えて、課題の洗い出しも出来た。 一朝一夕にはいかないだろうけど、認識を持つだけでもかなりの前進。 それらの課題を前向きに修正し、そして悔しさを新たなモチベーションに繋げて、次は必ず勝つ!

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2012年3月19日 (月)

心からバモストーキョー FC東京vs名古屋 3月17日(土)

序盤、名古屋の激しいプレスに遭う。 パスコースを限定され、特にアーリアの弱い横パスは何度もかっさわれた。 

ただ、名古屋のプレスは15分くらいしかもたなかったのに、緩んでからもビビッたかのようなプレーに終始してしまった東京。 確かに相手をリスペクトし過ぎていたかもしれない。

名古屋のディフェンスは、ブロックを作って囲んだり、前から摘むというより、ひたすら最終ラインの壁で跳ね返す感じ。 ゼロックス柏戦や、大宮戦と比べても、ワントップ・ルーカスを割と自由にさせてくれて、特に低い位置ではフリーになれて、ボールが収まる。 けど、そこからが問題。 前を向いて切り込んでも、サイドからボールを上げても、スルーパスを試みても、CKでショートコーナーを試みても、とにかく跳ね返され続けた。

むしろ、早めに最終ラインに当てて、跳ね返りのセカンドを狙うとか、スリートップ気味の名古屋はボランチの横に穴が空くから、そこで起点を作って、もっとSBをおびき出す、というような工夫があればよかったのだが、相手のストロングポイントである最終ラインに対し、素直にやろうとし過ぎていたように思う。

名古屋の攻撃は、ウィングが引っ張って作った手前のスペースでしっかり組み立てたり、裏への飛び出しがあったり、無論、ケネディの高さもあったり、効果的で多用な攻撃を繰り広げていた。 失点シーンも、ケネディが受け手ではなく出し手として機能し、権田も玉田に対してうまい距離の縮め方だったけど、玉田がさらに冷静だった。

このあたりの、決して華麗ではないけどしたたかな感じは、かつての鹿島のよう。 スーパーハードワークを求めるピクシーイズムの更なる浸透を感じさせる。 (闘莉王の存在も大きいかな。)

もし、後半の出だしも、再び名古屋が激しいプレスをかけていたら、東京の機能はずっと麻痺したままだったかもしれない。 けど、高齢化も感じさせる名古屋。 どんどん緩くなっていく相手に対し、HTにポポにカツを入れられた東京は、前半から続けていた試行錯誤を繰り返し、徐々にリズムを掴んでいく。

そして、太田のカズばりのまたぎから隼磨?のマークを一瞬ずらし、闘莉王をおびき寄せるととアーリアに戻し、アーリアはすぐに前線の羽生へ。 羽生のシュートは弾かれるが、フリーのナオがゴール! 太田のまたぎがなければ闘莉王は最終ラインに残ったままで、もしかしたら羽生はシュートを打てず、ナオもフリーになれなかったかもしれない。 能力の高いCBを要するチームを攻略するヒントがあるような気がする。 今野とか。

唸ったのは2点目。 まず、ナオが羽生に出し、すぐナオに戻すと(オフサイドにならなくて良かった)、ナオは秀人へ。 羽生に一旦出し、もう一度ナオに戻したことで、ショートコーナーに備えていた名古屋の選手は羽生→ナオに引きつけられ、秀人はノープレッシャーでファーサイドへ。 そこにいた加賀はオフサイドラインを意識しつつ、ボールをヘッドで折り返し、加賀の方向を見ていたケネディ、増川の死角から斜めに走り込んだアーリアが頭でボールをすっとずらしてゴール! 虚しく加賀のオフサイドを一人だけとりあえず主張する闘莉王・・・。

CKと言えば、かつてケネディが囮になって吉田麻也に決められたり、テセだか寺田だかが戻したボールを谷口に決められたりとか、やられたイメージばかりなのだが、この2点目はそれらよりも美しい芸術品だった。 しかも、増川、ケネディ、闘莉王を避けるという実質も伴った。 完成度という意味では、個人的にここ数年でベストゴールだったかもしれない。 また、CKを獲得する前の、梶山の3人を交わしながらのドリブルも凄かった。

梶山と言えば、3点目。 ルーカスが相手と競り合いながら梶山に出すと、目線とは逆のナオへ。 ナオも、ボールを相手よりも先に呼び込みつつ、シュートコースも確保する絶妙のコースを走り込み、正剛の股抜きゴール。 これも美しかった。

問題のレッドカードのシーン。 スカパーの映像では、ダニルソンのプレーは大したファウルには見えないけど、Youtubeにあがったバックから撮った映像を見ると、体当たりのようで、若干肘が出ているようにも見える。 そして、倒れた宏介を間髪入れず起こそうたしたのが、なんでわざわざというか、審判の注目を集めずにはいられない動作で、そういう一連が相まって、審判が思わず赤を出しちゃったのかな、と思う。 いずれにせよ、審判の問題。 選手で問題だったのはダニルソンよりも闘莉王で、秀人に手を出したのは自分がいた位置からも見えたけど、映像にも喉輪をしているのがはっきり映っていた。 秀人が倒れたのも闘莉王が倒した?ようにも見えるけど、確実なことは分からない。

まぁ、名古屋FKから東京の選手が10m離れずにリスタートしてボールを奪われたりとか、名古屋にとっても主審はイライラの元凶だったのだろうけど、問題は主審であって、東京に矛先を向けるのは逆恨みもいいところ。

とにかく、個人的にも優勝候補一番手と思っていた名古屋に、相手が直志、小川、藤本等抜きとは言え、または苦しみつつとは言え、勝てたのは、自信になるし、J1全体にインパクトを与えたと思う。 今後は勢いだけでない戦いが必要で、この日も谷澤を休ませたり、ヨネ、相太や、この日ベンチ入りしていない選手たちの力も必要となってくるだろう。

最後にヨネ、そして相太。 この二人を出すことで絶対負けられない試合になった。 まず、1点差に追い上げられた中で、サラっとこのカードを切れるポポに舌を巻いた。 (城福さんのナビ杯浅利ベンチ外に匹敵するくらいのカードかもしれないと思った。 劇薬度は低いかもしれないけど。)

そして、なにより長く辛いリハビリを経て帰ってきたこと。 今後、絶対必要な二人。 特に、いろいろなことを経てピッチに立ったヨネの涙には、同じく去年父親を亡くしている身としては、もらい泣きせずにはいられなかった。 よくサッカーに、そして東京に残ってくれた。

バモストーキョー。

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2012年3月17日 (土)

速いぞ!トーキョー! 大宮vsFC東京 3月10日(土)

ゼロックス、ACL@ブリスベンに続く3戦目。 既に盛りだくさんで、開幕の実感は薄い。

が、残留・降格の基準になるのはリーグ戦。 開幕までの2戦で内容に自信を持てていたとはいえ、柏には負け、ブリスベンは正直組みやすい相手だった。 そして大宮は、神戸の影に隠れてはいるものの、チョ・ヨンチョル、下平、菊池、長谷川悠など、各ポジションに着実な補強を実施。 お金持ちなところを見せている。 カルリーニョスも、周りがよく見えていて、展開力もあるとても使える選手だった。 そんな大宮相手にどう戦えるのか。

期待に不安も入り交じる開幕戦。 蓋を開けてみると、大宮も普通に良かった。 さすがJ1。

ルーカスのトラップ→ゴール、梶山とアーリアのポジション・チェンジなど、ポイントはいくつかあったけど、何より試合を分けたのは、権田のスーパーセーブだろう。 開始早々の東との1対1(「東の癖は分かってる」なんて言っちゃって大丈夫?)、チョ・ヨンチョルの2連発、右から崩されラフィーニャに合わせられたシーン。 どれか一つでも決められていたら試合は違うものになっていただろう。 ロングボールへの飛び出しという弱点はあるけど、反応という点では、権田は凄い。 ロンドン、そしてブラジルへ。

連戦+移動で「30分まで寝ていた」東京。 しかし、梶山とアーリアのポジション・チェンジを契機として、相手ボール時は前線からの圧力が高まり、マイボール時はテンポが早くなった。

独特な表現(特にカタカナ)を多用する某ライターさんが書いていたけど、アーリアの方がボールリリースが早いので、周りも予測・準備しやすく、全体のテンポが揃ってスムーズになる。 他方、梶山はパスも、キープ力もすごいし、ペースに変化を付けられるけど、その分、相手だけでなく、味方も一瞬予測が難しい。 ツータッチ限定と言われる現時点でのポポサッカーにおいては、長谷川のテンポの方が合っている。

梶山に関しては、フリーでボールを受けると期待感が高まる。 けど、すぐに捌いてしまうと、もっとキープして何かを起こして欲しいと思ってしまう。 他方、現時点のポポサッカーは、上記のとおり、原則ツータッチ未満。 そこに矛盾がある。 打開策は、ボールを受けるポジションを、梶山がもっと相手に近い場所に起き、相手を食いつかせて、次に繋げるタスクを果たすこと。 そうすることで、より多くの時間帯で危険な存在になりえる。

去年までと今年。 同じポゼッション・パスサッカー志向とは言え、縦への速さという点では対照的と言ってもいい。 どちらが良いということではなく、今の方が、相手が薄い・準備が整っていないところを突く分、決定機は増えるだろう。 他方、失敗の可能性も増え、ラインの高さもあいまって、逆襲を食らう場面も増えるだろう。 今後、その特徴がより出てくると思う。

その中で、試合をものにするには、当たり前のことだけど、決定機を確実に決めること。 前半の、高橋のスルーパスに谷澤が抜け出して、シュートを外した場面。 左足だったので、正確性を欠いたけど、谷澤個人の問題だけでなく、右足に持ち変えられなかったか、右足で持てる場所に出せなかったか、ディテールを突き詰め、判断を上げていくことが必要になる。

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2012年3月 4日 (日)

J1 Prologue Fuji Xerox Super Cup 柏vsFC東京 3月3日(土)

J1チャンピオン対天皇杯チャンピオン。

これまで縁遠かった大会に当事者として出場。 (勝てば3,000万円、負けても2,000万円の賞金。)

明大前や吉祥寺で行われた開幕前イベントに参加していたのだが、ほぼトーキョーワッショイさんの予想どおりのスタメン。

最終ラインは左から太田、森重、徳永、椋原。 いろんな意味で注目の徳永のCB起用だったけど、強さ、高さ、寄せ、繋ぎの面で及第点だったと思う。 むしろ、椋原の右SBが良かった。 上がるタイミング、クロスの精度、味方との連携。 しばらくは、これが最終ラインの基本ユニットになるか。

ボランチは、梶山とアーリアではなく、去年と同じ梶山と高秀コンビ。 秀人がフォアリベロ的なのは去年と同じ。 対して、梶山は、去年は一旦預けて飛び出し、フィニッシュに絡む場面を増やしていたけど、昨日はボールを出し入れし、ゲームを組み立てていた。 (ポポビッチ監督は流れに応じて、双方が同様にできることを求めているようだけど。)

そして、トップはルーカス、千真のツートップではなく、ルーカスのワントップにアーリアがトップ下。

さて、試合。 練習試合では、ボールを収め、パスを出し、フィニッシュまで全部やってしまっていたというルーカスが相手CBとボランチに厳しく挟み込まれ、ボールを収められない。

ただ、J1王者・世界4位相手でも、回すことは出来ていた。 さらに、アタッキング・サードでの工夫も向上していた。 具体的には、去年は、繋いで相手を押し下げても、なかなか裏に出なかったのが、昨日の試合では何度か裏に抜け出せる場面があった。 アーリアのアイディアは面白い。

ただ、前に進んでも、中央の相手が堅い位置で、ゴールを向いて良い形はなかなか作れせてもらえなかった。

TJ、北嶋がレアンドロ・ドミンゲス、ジョルジ・ワグネルにボールを落とし、そこからグっと圧力ある攻撃が始まる柏に対し、そういう形を作らせていないうちは、ピンチもほとんどなかった。 けど、ジョルジワグネルの前に一瞬シュートコースが広がるとあっさり先制を許す。 こういう、止めきれない相手に対し、いい形を初めから作らせないこと。 J2にはない、J1ならではの戦い。

さらにPKで2点先行を許す。 森重が競り合いで相手を弾き飛ばしてしまった。 あんなに飛ばされるなんて、北嶋がちゃんと競っていたのかとも思うけど、森重も、わざわざあそこまで強く当たる必要なかった。

後半途中から、ツートップへ。 千真も動きにキレがあり、もっといい形でボールを預けたいと思った。

そして、左からのクロスにアーリアが絡み、GKと競り合いながらゴール。 この時間帯、柏が明らかに集中力を欠き、間延びしていた。 そんな相手に対し、早く前に出したことで決定機が生まれた。

さらに羽生の決定機。 相手マークを外し、人知れずチャンスに絡むのが上手い。 このあたりは、ボールを持ってなんぼのナオや河野とは全然違う。 それぞれタイプは全く違うけど、変化を付けられるバリエーション。 今後楽しみだ。

全体として、戦える自信は付いた。 他方、押していても決めきれない、内容が良くても勝ちきれない可能性も当然ある。

ワクワクハラハラドキドキ。 幸せなシーズンイン。

そして、ブリスベンへ行ってきます!

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2012年2月 2日 (木)

2012年新体制、そして新たなトーキョーへの期待

2年ぶりのJ1、新監督、厚みのある補強。 W杯後の主役になるべく大きな期待を持って臨んだ一昨年とも、昇格しか眼中になかった去年とも異なる、新しい感覚で迎えるシーズン。

過去の失敗や成功、様々な経験を踏まえ、闇雲に期待するのでも、不安になるのでもなく、いろんな可能性や展開を想定し、織り込んでいる。 それでも、過密日程、今野不在、ACLなど、予測を難しくする要素は多い。

気づけば所属選手は様変わりした。 国見、大分コネクションだけでなく、ユース出身から、ヴェルディ生え抜きの選手に至るまで、様々なプロフィールの選手たちが今年の東京を構成する。 チームの段階に応じて、必要となる選手が変わってくるのは当然。 また、選手を選ぶ立場の人も変わる。 ただ、それでも、選手獲得の指標の一つに瓦斯っぽさを盛り込み、将来も受け継いで行ってくれれば嬉しいのだが。

2012年に入り、メディアで取り上げられることも増えた。 ポポビッチ監督も、立石強化部長も、エルゴラ、サカマガ、サッカー批評などでインタビュー記事が取り上げられた。 (ポポビッチは町田監督としてだったり、立石さんは長友移籍金スキームの文脈で取り上げられたことも多かったけど。)

社長も含め、フロントはうまく世代交代できた、と言えると思う。 自立をキーワードに転換期をくぐり抜けたことは間違いない。 2011年のJ2から、2012年はいきなりアジアではあるけど、2010年以前からの流れを踏まえると、決して棚ぼた的なアジアではないと言えると思う。 少なくとも、2008年の段階で自分の周りは、アジアをある程度現実的な目標として見据えていた (リンク先のコメント欄参照)。

最後にサポ。 J2を経て、イナゴっぷりが他サポにも知れ渡った。 食べることだけでなく、楽しむことへの貪欲さが東京サポの特長だと思う、と3年前に書いた。 ツイッターが浸透し、サポどうしが繋がる手段が増える中、ますますその特長は強まっていると思う。

そんな東京サポが今年はアジアに渡る。 こんなに楽しみなことはない!

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